-昨年を振り返って。

 コロナ禍で暮らし方を見直す動きによる良い家具の需要が影響し、売り上げは堅調に推移しました。一方でオンラインが進み、交通費や社有車、倉庫賃料など経費に対する意識が高まって体質改善につながり、これまでにない経常利益を計上できました。しかし、ウッドショックや原油高の影響ですべての資材が値上がりする中、やむを得ず年末に平均6%の値上げをしました。今後は価値を認めていただける優れたデザインと高品質のものづくり、ブランドの浸透が課題と考えています。

 -次の100年に向けた戦略は。

 さまざまな厳しい状況下、企業として継続できたのは飛騨で培われた技術力と、常に革新しようと挑戦する心です。100周年を機に改めて企業理念を「志」として言語化しました。「志」は「匠の心と技をもって飛騨を木工の聖地とする」。ミッションは「人を想う 時を継ぐ 技を磨く 森と歩む」の四つの価値観です。これらの言葉を事業展開、商品開発、行動指針の柱としていきます。そのため、時間をかけ全社員に共有と浸透を図りました。

 -具体的には。

 四つの価値観を象徴する商品を2年かけて開発。商品数も絞り、それぞれの物語をしっかり伝えていく体質をつくります。匠は個人ではなく、職人や支える人を含めた優れた集団を指すと考えています。その精神性を受け継ぐ企業として、私たちの歴史や技術を活用し、木工や森林資源のことなら飛騨へ行けばなんでも分かるという魅力的な場所として発信する聖地にしたいと考えています。「飛騨の家具館」という店舗名を「HIDA高山店」とし、モノだけでなく、学びや技術などが体験できる場所として、年間1万5千人の来店者を3年後には5万人にしたい。飛騨の木工文化の継承と共に日本の森林資源の活用をけん引していく存在になっていくことが私たちの夢です。