-コロナ禍に思うことは。

 当研究所では、予防医学による医療費削減への貢献を目指し、欧米の大学や研究機関と共同でパパイヤ発酵食品(FPP)の研究を行っています。研究所内に世界エイズ研究予防財団日本事務所を併設し、子供たちに対する予防教育も続けています。子供たちにも話しているのですが、コロナ禍は予防医学がいかに大切かを改めて認識する大きな機会となりました。

 顕著に表れたのがインフルエンザの患者数。昨冬、今冬は激減しています。最大の予防医学は実は「教育」。マスクの着用や手指衛生等の新型コロナ対策の大切さが広く教育されたことによる結果です。他の疾病も皆が真剣に取り組めば減らせるという可能性を、このコロナによって学ぶことができたと感じています。

 -FPPの研究、子供たちへの教育以外の予防医学への取り組みは。

 研究所のある大野町は富有柿の産地として知られていますが、農業従事者の高齢化で休耕地化する柿畑が増えています。町役場からその有効利用についての相談を受けたことを機に、シニア世代が生きがいを持って働ける場をつくろうと、ワイン用の品種であるピノ・ノワールとシャルドネのビオでの栽培に10年前から挑戦しています。

 シニアの方々が、リタイアしても社会と関わり、生きがいを持つことで、健康維持に役立ち、認知症になるリスクが減ると考えています。それが結果的に医療費削減にもつながるという循環型の視点で取り組んでいます。

 -今年の目標は。

 当たり前のことが当たり前にできることこそが幸せなのだと思います。これまで取り組んできたことを継続させていくことが常に掲げている目標です。ただ、環境やスペックはどんどん変わっていきます。継続のためには見えない部分で新しいことに取り組み、現状維持に努めていきたい。