―2021年の業況を振り返ると。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響はあまり受けていません。鉄道向けプレストレスト・コンクリート(PC)まくらぎは、木製からPCまくらぎへの取り替え需要が順調に推移しています。東海道新幹線では脱線防止用の補助具付のまくらぎへの更新、建設中の北陸新幹線(金沢~敦賀)においてはPC製「軌道スラブ」の受注など、安定需要があるのが強みです。

 ―その他の事業の状況は。

 高速道路に関しては、老朽化した鉄筋コンクリートの床版をPC床版に取り替えるリニューアル工事(北陸自動車道・中国自動車道など)や複車線化工事(東海環状自動車道)で活況を呈しています。まくらぎ同様に国土強靱(きょうじん)化の流れの中で、橋梁(りょう)については今後もNEXCOや国土交通省等からの需要が見込めます。水道タンクも更新事業について安定的に受注できています。

 ―脱炭素を意識した取り組みは。

 約30年前より一部の橋梁工事(実績約300橋)でセメントの使用量を抑制したコンクリートを使用し、環境負荷の低減を図っています。使うのは、製鉄の際に発生する高炉スラグを微粉末にして混ぜたもので、製造の際に大量のCO2を発生させるセメントの使用量は半分ほどになります。塩害対策として緻密なコンクリートを作ることが目的で開発しましたが、廃材である高炉スラグの利活用など脱炭素の潮流に合っています。現在は、セメントを使わないジオポリマー技術によるコンクリートの開発も進めており、今後も脱炭素社会の実現に貢献していきます。

 ―今年の展望は。

 まずは今月、福島県郡山市内の工業団地で、新工場を着工します。東日本エリアの中核拠点で、24年1月の操業開始を目指しています。社内の組織では、管理体制を見直すなどし、コーポレートガバナンス(企業統治)を一層強化していきます。