優しい筆致で鷺山を描き続ける本地裕輔さん=名古屋市内

岐阜・鷺山の情景が原点

 幼い頃、よく遊んだあの坂道―。岐阜市鷺山の情景が日本画家としての原点だ。「心がけているのは作品へのリアリティー。富士山など観光名所より、自分の足跡のある『鷺山』を描き続けているんです」と力強く語る。

 名古屋市生まれの36歳。小学2年生から約4年間を鷺山で暮らした。再び名古屋へ戻るが、美術科のある高校を受験するため、鷺山の絵画教室に通い見事合格。愛知県立芸大に進学し、26歳で院展初入選を果たした。

 「岐阜には自然の匂いがする。名古屋にはない独特の空間」。創作のインスピレーションを感じ、筆を執る。特に桜への思いは強い。大垣のたらい舟と舞う花びらとのアンサンブルを美しく表現する。

 最新作の「鷺山眺望」は縦220センチ、横175センチの超大作。慣れ親しんだ街並みを背景に織り交ぜながら、大好きだった坂道を月明かりが優しく照らす。院展へは、雪の鷺山を描いた作品に続いての出品。「鷺山が大好きなんだなって改めて感じる」

 休日は岐阜県美術館に足を運ぶ。名古屋市在住。

(岐阜新聞 2017年6月22日掲載)