地域守る共助の柱 消防団 災害に強いまちに

 火災時はもちろん、自然災害や事故などの発生時に地域の防災の担い手として重要な役割を果たす消防団員は、年々全国的に減少の一途をたどっている。1952年のピーク時は200万人超だった団員数は、現在76万2670人(今年4月1日時点)で過去最少を更新。新たな団員の獲得のためにどうすべきか。そこで、消火活動への参加を希望して消防操法大会に出場した女性消防団員、機能別消防団員となった学生らといった県内で団員として活動する人たちを紹介しながら、改めて消防団の役割や魅力を伝える。
 

美濃市・美濃分団 佐藤分団長

 消防団は、火災や事故、地震や風水害の大規模災害が発生した時などに、地域住民を守る役割を担う。消防士との大きな違いは消防が本職ではなく、地域住民によって構成されているところ。地元を熟知しているため、災害時には地域で頼りになる存在だ。

 消防団員は休日や就業後を利用して、消防訓練や救命講習を行う。火災が発生した場合は消防車が到着するまでに初期消火を行い、地域にある消火栓や防火水槽から消防ポンプ車に送水するなど、消防署と連携して消火活動をサポート。地震や風水害など火災以外の自然災害が発生した場合も住民に避難を呼び掛け、行方不明者の捜索などを行う。また、地域住民に防火意識や応急手当を広める啓発活動も重要な役割で、住宅用火災警報器の普及活動や防火訪問なども行っている。

 総務省消防庁は、今年4月1日時点の消防団員数が前年比2・7%減の76万2670人で、過去最少を更新したと発表。一方で入団者数は前年比8・8%増の3万6395人になり、8年ぶりに増加した。学生や、大規模災害時など特定の活動に限って参加する「機能別団員」が増えたことが増加の一因となった。しかし、退団者も4・7%増の5万7303人となっており、負担の重さなどから団を辞める人も増えている。現在、県では約2万人が消防団員として活動している。しかし、人口減少や価値観の変化などにより年々減少している。

美濃分団の消防団員と地元の園児たちが、うだつの上がる町並を歩き防火を呼びかける=昨年10月、美濃市泉町

 美濃市在住の佐藤隆司さんは、23歳の時に同じ町内の人から誘われ「地域のためなら」と思い、消防団員となった。現在は美濃分団の分団長を務める。団員数は80人で、年齢層は20代から50代までと幅広い。

 佐藤さんは分団長として自ら声を掛け、団員としっかりコミュニケーションを取ることを日頃から心がけている。団の活動については「家族との時間を大切にしてもらい、空いた時間を活用して訓練を行っている」と話す。

 同団では地元の園児らの鼓笛隊と消防団員が一緒にうだつの上がる町並みを歩くパレードで、防火対策を呼びかけている。また、消防団員の活動に興味を持ってもらうために、子どもたちに放水体験をしてもらっている。

 佐藤さんは「消防団員になったことで全く接点のなかった人と私生活でバーベキューやツーリングをするなど付き合いが増えた」と言う。また、団で経験を積み「人を取りまとめる力や防災のノウハウが身に付いた」と実感。「各団員が普段の仕事場での振る舞いをしっかりすることで団に生かし、一人一人が魅力的であってほしい」と、これからも消防団での活動に尽力していく。

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