岐阜新聞×Gifu Pink Ribbon

女性のヘルスアッププロジェクト 2024

WOMAN’S  HEALTH  UP  PROJECT

-Vol.01-

 

まずは、わたしが持続可能に!

仕事や家事、育児、介護など、社会や家庭の中で大切な役割を担っている女性にとって、地球環境や社会と同様に、「持続可能」な体づくりがとても重要です。そこで岐阜新聞では、女性のがん罹患率第1位である乳がんをはじめとして、女性の健康意識向上を目指した啓発活動を行う「ぎふピンクリボン実行委員会」とともに、「女性のヘルスアッププロジェクト」を行っています。

今回は、岐阜県健康福祉部の丹藤昌治部長に、岐阜県におけるがん罹患者の現状やがん対策の取り組み、ご自身も医師でがん罹患者である立場から感じたがんとの向き合い方についてお聞きしました。

罹患者として治療の進化を実感検診で「早期発見・治療」を

Q 平松 岐阜県におけるがん罹患者の現状は?

丹藤 がんの罹患者は全国的に増え続けており、岐阜県も例外ではありません。上皮内がんを除くがんの罹患割合を見ると、岐阜県では男性は前立腺が最も多く、大腸、肺、胃と続きます。一方、女性は乳房が最も多く、次いで、大腸、肺、胃のほか、子宮がんの罹患者が多い状況です。

◎出典/岐阜県のがん登録 2020年次集計

Q 平松 岐阜県が進めているがん対策は?

丹藤 岐阜県では、今年度から第4次岐阜県がん対策推進計画がスタートし、「がん予防」「がん医療」「がんとの共生」という3本柱で取り組みを進めています。特に今年度からは、子宮頸がんの罹患者増加に対し、25歳の女性を対象に、子宮頸がん検診の自己負担額を無料とした市町村に対する補助事業を始めました。また、子宮頸がんの原因の一つとされるヒトパピローマウイルス(HPV)は、ワクチン接種で8~9割の感染を予防できることから、ワクチンの有効性や安全性を伝える啓発活動を行っています。なかでも、平成9年度~平成19年度生まれの女性は、今年が公費でHPVワクチンを接種できる最後のチャンスとなっており、1人でも多くの接種を呼びかけています。

Q 平松 乳がん検診における取り組みは?

丹藤 乳がん検診は、コロナ禍で受診率が低下し、その後も回復していない検診の1つです。その背景には、「怖い」「痛い」などのイメージがあると考えられます。そこで岐阜県では、まずは検診を体験してもらうことを重視し、イベント会場や図書館などに乳がん検診バスを配置し、受診率向上に努めてきました。

 さらに令和4年度からは、ぎふピンクリボン実行委員会とタイアップし、県内の商業施設で行われるイベントで、検診バスによる乳がん検診を実施。35歳以上で検診を受けたことがない人を対象とし、ぎふピンクリボンが受診料を負担することで、無料で受診していただいています。商業施設で行うことで、忙しさから検診に行きづらい育児中の女性にも啓発ができ、大きな意義を感じています。

◎出典/岐阜県のがん登録 2020年次集計
  

Q 平松 がんを罹患した経験を踏まえてメッセージを!

丹藤 私は2020年に職場の健康診断で要精密検査の結果が出たにもかかわらず、日々の忙しさから受診を先延ばしにし、数箇月後に受けた検査で、肺の腫瘍と転移が判明。ステージ4の進行がんと診断されました。

 がん検診は、定期的に行うことに加え、精密検査が必要となった場合、速やかに受診することが大切です。万が一、がんが見つかったとしても、近年は治療法が進歩し、多くの選択肢があります。私自身も、がん遺伝子検査によって自分に合った治療法を受けることができ、今もこうして元気に働いています。さらに「早期発見・早期治療」ができれば、治療の成功率も高くなり、体や経済面の負担も軽く済みますので、ぜひ自分や家族の健康について考える機会を持っていただき、がん検診を受けてほしいと思います。

 

 


 

ぎふピンクリボン実行委員会では「乳がんの正しい知識」や「乳がん検診の早期受診」を啓発し健康意識を高めるイベントを行っています。

 

今年は10会場で開催します!!

 
 
 

 

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