日銀が14日発表した4月の国内企業物価指数(2020年平均=100、速報)は126・3となり、前年同月比4・0%上昇した。コメの値上がりを受け、農林水産物が大幅に伸びたことが指数を押し上げた。伸び率は化学製品や鉄鋼などの市況下落で3月改定値の4・3%から0・3ポイント縮小した。ただ昨年12月以降、4%台での高止まりが続いている。
農林水産物は前年同月比42・2%の上昇だった。コメ価格が、需給逼迫に加え、肥料代や輸送費、人件費の増加分が転嫁されて高騰した。高病原性鳥インフルエンザの感染拡大に伴う鶏卵価格の上昇も影響した。
コメや包装資材などのコスト増を受け、飲食料品は3・6%上がった。電力・都市ガス・水道は、再生可能エネルギー普及に向けて電気料金に上乗せする賦課金の引き上げや、政府による電気・ガス代の負担軽減策の縮小を受け、10・1%の上昇だった。
トランプ米政権の関税強化策に関し、日銀の担当者は、企業は状況を注視し対応を検討中だとして「価格への具体的な影響はまだ出ていない」と分析した。