20日投開票の参院選で、自民党を含む憲法改正に前向きな「改憲勢力」の議席数は、非改選を合わせて国会発議に必要な定数の3分の2を維持した。ただ衆院側は昨年の選挙で3分の2を割り込んでおり、立憲民主党などを巻き込まなければ発議は困難な状況に変わりはない。各党の優先項目は一致しておらず、共通点の模索が続く。
参院の3分の2のラインは166議席。自民、公明両党に加え、日本維新の会や国民民主党、参政党など一部野党を含む改憲勢力は、非改選で97議席を有する。今回の選挙で69議席を確保すれば届く計算だった。
参院選公約では、自民と維新は自衛隊明記や緊急事態条項の創設を掲げたものの、立民は明確に反対した。共産党やれいわ新選組、社民党も憲法改正の阻止を訴えており、双方の見解の相違は埋まっていない。
改憲勢力内にも温度差がある。9条への自衛隊明記を巡り、公明は「多くの国民は自衛隊の活動を理解し支持している」と消極的な立場だ。国民民主も賛否を示していない。