スマホを手にスクランブル交差点を行き交う人たち=東京・渋谷

 政府が策定する人工知能(AI)の適正利用に向けた指針の骨子案が12日判明した。生成AIへの不安解消を目的に、本物そっくりの「ディープフェイク」による偽画像など不適切な出力の抑制に対処することや積極的な情報公開を事業者に要請するのが柱だ。国民に対しても、AIの特性を理解した上で偏見助長や犯罪利用といったリスクを正しく認識するよう求める。

 指針は9月に全面施行したAI法に基づき、国民や事業者がAIに向き合う際の基本的な留意点をまとめる。法的な拘束力はない。政府の推進策を並べた基本計画と併せて議論している。

 AI開発に携わる研究機関や活用事業者には、AIによる生成物の基になる学習データの収集方針を定め、公表することを要求する。公平性を欠く出力や、個人のプライバシーを侵すデータを扱うリスクを抑える狙いがある。

 事実に基づかない「ハルシネーション(幻覚)」や偽・誤情報の出力を防ぐため「最新の技術と知見を駆使して(問題の)解決に取り組む」ことも重要だと指摘する。

 国民には能動的なAIリテラシーの習得を訴える。