精神障害や知的障害のある大阪市の男性=当時(36)=が2019年、市営住宅の自治会役員から障害があることを書かされ自殺した問題を巡り、調整を担った社会福祉法人の対応に不備があったとして、男性の両親が約2300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は14日までに請求を棄却した。
争点は、男性と法人側との間で調整を巡る契約関係が認められるかどうかだった。斎藤毅裁判長は判決理由で「法人の担当者は男性から相談を受け、自治会役員らと調整し、話し合いに同席したが、相談への対応の延長だった」と指摘。両者の間に準委任契約が成立したとは認められないとした。
判決によると、男性は市営住宅で1人暮らしをしていた19年11月、自治会の班長決めで選出対象から外してもらおうと同法人に相談し、役員との調整を依頼。法人の担当者も同席した役員との話し合いの場で、他の住民に説明するためだとして「おかねのけいさんはできません」などと書かされ、その後自殺した。






