安倍晋三元首相銃撃事件の裁判員裁判第12回公判が2日、奈良地裁で開かれ、被告人質問が行われた。殺人罪などに問われた山上徹也被告(45)は、安倍氏を対象としたことについて「統一教会(世界平和統一家庭連合、旧統一教会)と政治の関わりの中心にいる方だと思った。他の政治家では意味が弱い」と述べた。同氏と関係を持った教団が公に認められるのは受け入れ難かったとし、安倍氏への「嫌悪感というか敵意というか、そういったものが徐々に強まった」とした。
安倍氏は2021年、教団の友好団体のイベントにビデオメッセージを寄せ、「韓鶴子(旧統一教会)総裁らに敬意を表します」と話していた。
公判では、教団幹部の襲撃機会が訪れず銃の製造費用などで経済的に行き詰まる可能性があったことも明らかにされた。そのため対象を安倍氏に変えたのかと検察官から問われ、被告は「そういうような要素もあるかと思います」と答えた。
裁判員からは「事件でいろんな動きがあった。目的を達成できたか」と尋ねられ、被告は数秒間沈黙し「お答えできかねます」と述べた。







