中継会場で参加者が見守る中、真珠湾に献酒する静岡の医師菅野寛也さん(中央)ら=8日、米ハワイの真珠湾(共同)
 式典参列後、日米融和への思いを語る長崎の被爆者本村チヨ子さん=8日、米ハワイの真珠湾(共同)

 【ホノルル共同】1941年に日本軍が攻撃した米ハワイの真珠湾で、太平洋戦争での日米両国の犠牲者を追悼する式典が8日営まれ、静岡市の医師菅野寛也さん(92)が、45年6月の静岡空襲時に墜落死した米軍B29爆撃機搭乗員の遺品の水筒で献酒した。訪米している長崎の被爆者団体代表団も参加した。

 撃沈された戦艦アリゾナの上に建てられたアリゾナ記念館で実施。主催者によると、陸側の中継会場を含め約200人がウイスキーを海へ献じる様子を見守った。水筒は黒く焼け焦げ、握り締めた指の痕が残っている。

 菅野さんは「(かつての)敵の弔いまでする風習を世界の平和のために大事にしてほしい」と話した。