本日4月29日から始まる「わたしのキャンバスプロジェクト」は、一人でも多くの女性が子宮頸がんをはじめとした婦人科系疾病にくじかれず、思い描いた人生を歩んでほしいという願いのもと、年間を通して女性の健康を啓発・応援していくキャンペーンです。
 

vol.1
子宮頸がんを正しく知って予防する

 岐阜新聞女子netの「ぎふ子宮頸がん予防啓発キャンペーン」は今年で8年目を迎えます。4月9日(子宮の日)にちなみ、毎年4月から子宮頸がんをはじめとする婦人科系疾病について、県内の産婦人科医や薬剤師の監修のもと特集しています。

 第1回目のテーマは、女性特有のがんとしては乳がんに次いで罹患者の多い子宮頸がんについてです。産婦人科医の先生にその症状と予防方法について伺いました。
 

教えていただいたのは・・・

宮﨑千惠婦人クリニック
宮﨑 千惠 院長

1976年に久留米大学大学院を卒業後、病院勤務を経て1980年に宮崎千惠婦人クリニックを開業。青少年の性教育や婦人科系の病気に関する啓蒙活動に積極的に取り組む。


こんな症状はありませんか?
セルフチェックシート
□ 異常なおりもの □ 月経以外の出血(不正出血) □ 性行為の際の出血 □ 下腹部の痛み
公益社団法人 日本産科婦人科学会HPより

いずれも子宮頸がんの代表的な自覚症状です。1つでもチェックが入った人は早めの検診受診をおすすめします。

Q 子宮頸がんはどんな病気?
A 子宮頸部にできるがんで、患者の多くが20〜30代の若い女性です。

 子宮がんには、子宮入口の頸部に生じる「子宮頸がん」と、子宮体部にできる「子宮体がん」があります。「子宮頸がん」は子宮がんのうち約7割程度を占めます。

 以前は患者の中心が40~50代でしたが、最近は20~30代の若い女性の間で増加傾向にあり、30代後半がピークです。がんの初期には無症状の場合が多く、国内では毎年約1万人の女性が罹患し、約3000人が死亡しています。一命を取り留めても、治療の過程で長期入院や子宮摘出を選択せざるを得ないこともあります。

Q 発見が遅れやすいのはなぜ?
A 原因となるウイルスに感染してから発症までに長い年月がかかり、自覚症状がほとんどないことが原因です。

 子宮頸がんは性感染症の1つで、性的接触により子宮頸部がHPVに持続感染することで発症します。HPVはごくありふれたウイルスで、性別問わず性交経験のある人の多くは一生に一度は感染するといわれています。HPVに感染しても、およそ90%の人は免疫の力でウイルスが自然に排除されるものの、残りの約10%でHPV感染が長期間持続することがあります。

 このうち自然治癒しない一部の人は、異形成とよばれる前がん病変を経て、数年以上をかけて子宮頸がんに進行します。子宮頸がんは子宮頸部表面にできる上皮内がん、そして周囲の組織に入り込む浸潤がんに分類されます。

 恐ろしいことに、子宮頸がんは早期の段階ではほとんど自覚症状がありません。進行するに従ってセルフチェックシートに記載したような症状が現れることがあります。当てはまった場合は婦人科で早めに診察を受けて下さい。


 

Q 予防のためにできることは?
A HPV感染前のワクチン接種と定期検診で子宮頸がんをはじめとした疾病を予防できます。

子宮頸がんワクチン
 子宮頸がんはワクチンによって予防できる唯一のがんです。HPV感染や異形成に90%以上の効果が認められており、国内では昨年10月に接種推奨が再開されました。海外に目を向けると、公衆衛生の観点から女性のみならず男性への接種も推奨している地域があります。初交を経験する前に同一のワクチンを3回接種することが望ましく、ほとんどの女性が初経を迎える9~15歳の間が接種タイミングの目安とされています。

 また、各都道府県には接種後の症状を診察できる協力医療機関があります。ごくまれに起こる発熱などの副反応があれば受診できます。

定期検診
 悪化するまで自覚症状がほとんどないからこそ、子宮頸がんは発見が遅くなりがちです。しかし早期発見・早期治療を心がければ、高度異形成から初期(IA1期)のレベルのがんであれば比較的容易に治癒できます。検診を通して子宮筋腫や卵巣嚢腫(のうしゅ)など他の病気見つかることもあるため、自分の健康のために定期検診へ足を運びましょう。

このように手遅れになる前に
画像は子宮頸がんの進行した所見です。子宮出血などの自覚症状が出てから検査を受けた場合、このように肉眼的にがんが進行し、手術をしても死に至ることがあります。

 

【子宮頸がん検診の流れ】

問 診
初経の年齢や生理の状態、妊娠・出産経験、不正出血やおりものなどの自覚症状の有無を詳しく聞きます。
 

検 診
内診台に上がり、子宮頸部の状態を膣鏡で観察します。内診台と診察する医師との間はカーテンで仕切られています。
 

子宮頸部細胞診
やわらかいブラシのようなものを膣内に挿入し、子宮頸部の粘膜を軽くこすって、細胞を採取します。まれに出血することもありますが痛みはほとんどありません。
 

経腟超音波検査
膣内に小さな超音波器具を挿入し子宮の状態を調べます。子宮筋腫(きんしゅ)や卵巣腫瘍(しゅよう)も見つけることができます。およそ2週間後に検査結果が届きます。


主催|岐阜新聞社
後援|岐阜県 岐阜県医師会 岐阜市医師会 岐阜県産婦人科医会 岐阜市産婦人科医会 岐阜県看護協会