やりがい聞いてみました

母親も弟も介護職 伊藤綾夏さん(特別養護老人ホーム燦燦・岐阜市) 

ユニットのリビングスペースで洗濯物をたたむ利用者を、笑顔で見守る伊藤綾夏さん=岐阜市鏡島南、特別養護老人ホーム燦燦

-介護職員になったきっかけは。

 中学生の時、母が介護職員になりました。別の業種で働いていた頃と比べると楽しそうで、さらには明るくなっていく姿を見て、介護の仕事に興味を持ちました。そこで近くの特別養護老人ホーム(特養)の夏祭りにボランティアへ行き、やりがいのある仕事ができる場所だと感じたので、大垣桜高校の福祉科に進み、国家資格の介護福祉士を取得しました。高校卒業後は介護老人保健施設(老健)に就職して10年間働き、5年ほど前から燦燦で働いています。

 ちなみに母は今も現役で働いていますし、3歳年下の弟も大垣桜高校福祉科、大学へと進み、現在は県内の別の法人で介護職員をしていますので、親子3人でこの業界にお世話になっています。

-老健から燦燦に移った理由は。

 老健は基本的に「家に帰って生活する」という目標があるため、一時的に滞在する施設ですし、リハビリなどの時間が多いです。利用者ともっと深く関わりたいとの思いから、利用者それぞれに個室があり、その前にリビングスペースがあるというアットホームな雰囲気の中、個性や生活リズムを大切にできる「ユニットケア」をしている燦燦に移りました。

 特養は、利用者にとってここが“おうち”です。1つのユニットには10人の利用者がいて、5人の職員が交代で関わります。職員同士で話し合って利用者それぞれに合ったケアができる点に魅力を感じています。

-やりがいや大変なことは。

 利用者から「あなたにやってもらえて良かった」などと直接言ってもらえることが、やりがいにつながっています。また、利用者の状態が良くなっていく変化が目に見えるときもうれしく、それらの積み重ねが力になっていきます。高校時代から一貫して、介護そのものをやめたいと思ったことは一度もありません。

 自分が笑顔でいることで、利用者の笑顔も増えていきますので、これからも笑顔で頑張りたいですね。

 大変だと思うことはユニットリーダーとして職員をまとめなければいけないことです。新しく入った方だったり、経験者であっても従来型の特養で働いていた方だったりすると、ユニットケアとはどういうものかということから、うまく伝えていく必要があります。思いを伝えることは簡単なことではありません。指導法などをもっと学んでいく必要があると日々感じています。

-施設の自慢できる点は。

 新しいものをどんどん取り入れたり、働きやすさを改善していったりする雰囲気が良いと思います。少し前には、全てのベッドに「眠りSCAN(スキャン)」を導入しました。利用者がベッドを離れた際はアラームが鳴りますし、心拍や呼吸数などのデータが記録されるため、看護師らとの連携が取りやすくなりました。就寝中は部屋に入らないでほしいという方もいますので、気持ちに寄り添いつつ安全も確認できるようになり良かったと感じています。

 病院をはじめ、系列の施設が多い点も良いです。その方に合った施設が選べ、連携も取りやすいので、この整った環境で利用者がその方らしい生活ができるよう、これからも支援していきたいですね。