ふるさとへの便り

ワラージン

 イギリス連邦加盟国のウガンダ共和国で飲まれる『ワラジ』といわれるお酒があります。

 多くはバナナを蒸留して造られるお酒で、日本でいうならば、バナナの焼酎という感じのものだと思われます。

 本来の名前は『ワラージン』という言葉で、蒸留技術などはイギリスの植民地時代に伝わったと考えられます。このお酒は現地でのみ飲めるお酒で、日本には輸入されておりません。

 お酒を扱う一人として、非常に興味深いところですが、バナナ以外の原料を用いた密造酒も多く、中には、製造コストが安いメチルアルコールを足してごまかしているものもあるとのこと。

 当然のようにそのようなお酒を飲みすぎると、身体に影響を及ぼすだけでなく命を落とす危険さえあります。

 このお酒に関しては、米国のデジタルメディア「VICE」が配信する映像で確認できます。

 このお酒の話を取り上げたのは、戦後の日本でも密造酒の話がなかったわけではなく、やはり、「メチルアルコールでえらい目にあった」という話を聞いたことがあるからです。

 お酒ではありませんが、「ダイナマイトを切って、あめ玉のようになめていた」という体験をしている人がいる時代です。今のように、管理され安全なものを口にできなかった背景が思い浮かびます。

 ある意味、密造酒のような謎のお酒といえば、昭和の初めに飲み屋さんで、受け皿やボトルの底にわずかに残ったお酒を寄せ集めて造られた“ばくだん”という、寄せ鍋か闇鍋のようななものが提供されていたこともありました。少し考え方を変えるとカクテルなのですが、えらく悪酔いしたと聞きます。

 とある量販店で、『ばくだん』という名前のお酒をみましたが、その昔のものとは別物と言ってよいでしょう。

 ワラジも、しっかり管理され品質が認められる時代がくるかもしれません。そうなると現地で、「その昔に飲んでいたものは・・・」と、思い出になることと思います。

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