ふるさとへの便り

解禁日

写真:カルーアミルク

カルーアミルク

 日本でのお酒の解禁日といえば、二十歳の誕生日を迎えてからです。

 二十歳の誕生日を迎えた子供を連れて来店されるお客さまが、毎年、数回ございます。それは、とてもほほ笑ましい光景です。

 他では、お酒が解禁になり、上司と一緒に社会勉強でのご来店や、当然、一人で来店される方もいらっしゃいます。

 そこで、つい最近のお話で、一人で来店された男性のお客さまのお話をいたしましょう。

 彼は、高校生のときに親子で一緒に来店されてからのお客さまで、アルコールは飲めないので、いつも紅茶を飲んでいました。「二十歳になったら、マスターのところでお酒デビューをします」と、私と約束をしておりました。

 そんな彼も高校を卒業し、岐阜での就職が決まり、その都度、報告を兼ねて来店されていました。

 そして二十歳の誕生日を迎えて、お酒デビューができるというところで、仕事上がりで来店してくださいました。

 カウンターに座って、いきなりゴソゴソとかばんをあさり、取り出したのは保険証。「二十歳になりました。始めて飲むお酒は何が良いかわからないので、マスターが決めて下さい」と、どこまでも真面目で、隠れて一口とかもしなかったようです。

写真:自分に合ったカクテルを

自分に合ったカクテルを

 その部分を聞くと、「感動が薄れるから」と、いうことでした。

 そこで、私が選んだお酒は、カクテルの「カルーアミルク」です。彼は、紅茶を飲んでいた頃に、やや多めに砂糖を加えて飲んでいて、かなり甘いカクテルが良いと思いました。

 アルコールでの酔う感覚に、多少の戸惑いが垣間見られましたが、「おいしいです」と、ゆっくり時間をかけて飲み干して、念願のお酒デビューを飾ることができ、何度となく頭を下げて、「ありがとうございます」という言葉を残し、笑顔で帰宅されました。

 このような場面に立ち会うことができ、光栄なことと思いながら仕事を続けているマスターです。

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