ふるさとへの便り

大砲のカクテル

写真:フレンチ75(左)とフレンチ95

フレンチ75(左)とフレンチ95

 1914年のオーストリア=ハンガリー帝国の大公夫妻が銃殺された、サラエボ事件がきっかけで、欧州諸国のいざこざが、世界を巻き込む形となった第一次世界大戦。

 足かけ5年におよぶ長期戦は、1918年、中央同盟国のドイツ皇帝が退位に追い込まれ、連合国の勝利で幕が引かれました。この戦火の最中に生まれたカクテルがあります。

 パリのアンリ・バーで製作された、フレンチ75(French75)という名前のカクテルです。勝利した連合国のフランス共和国が製造し使用していた、M1897 75ミリ野砲をイメージした物です。

 このカクテルに使用される材料には、連合国で一緒に戦った、イギリスを代表するお酒のジンが使われ、レモン、シロップをシェイクし、長い砲身をイメージさせるロングタンブラーに注ぎ、シャンパンで満たすロングカクテルとなります。

写真:高貴な一杯を楽しむ

高貴な一杯を楽しむ

 名前の由来を知ると物騒な雰囲気がありますが、カクテルはとても上品で、高貴な一杯という感じです。

 バリエーションで、ベースとなるお酒をバーボンウイスキーに変更すると、フレンチ95。ブランデーを用いると、フレンチ125と名前が変わります。

 負の遺産にしかならない戦争ですが、その中で生まれたこのカクテルを、当時、どのような気持ちで飲んでいたのか聞いてみたいと思わせる一杯です。

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