たい亭あたりの「おきらくご」
写真:昨年の決勝進出者 鵜飼家つきみ、鵜飼家とまと(共に岐阜大学)

昨年の決勝進出者 鵜飼家とまと、鵜飼家つきみ(共に岐阜大学)

 私が8月に学生落語の全国大会「てんしき杯」を企画、製作していることは前にも述べましたが、岐阜には市主催のもうひとつの全国大会があります。それが全日本学生落語選手権「策伝大賞」です。

 今年は2月17日が予選、18日が決勝となります。全国で一番参加者が多く経費のかかる大会なだけに、学生たちがこぞって参加する今年で15回目を迎える由緒正しい大会です。

 私が最初にてんしき杯を立ち上げる時には、当然策伝大賞を意識しました。ですが、それが一部で策伝を否定する反対勢力と言われたりもしましたが、それはとんでもない間違いです。今回で市長を退任なさる細江茂光さんが就任時の目玉として掲げた「笑いと感動のまちづくり」、私は今でもこの取り組みに賛同しています。学生落語の大会が岐阜で始まったことで、今まで名古屋の植民地、とまでいわれた岐阜が落研学生の間では聖地となり、そのうねりは全国の大学に広がっていったのです。素晴らしいことだと思います。

写真:第11回策伝大賞優勝者 鵜飼家みるく

第11回策伝大賞優勝者 鵜飼家みるく

 また審査員に東西の重鎮、桂三枝(当時)立川志の輔の両師匠を起用したことで学生落語の頂点として策伝大賞は位置づけされ、会を重ねるごとに参加者は増大していきました。参加者が増えれば当然一人当たりの演技時間も減らされます。主催者の方も断腸の思いだったと思いますが第1回が開かれた平成16年は予選10分、決勝20分であったものが第2回、第3回は予選8分、決勝15分。第4回からはさらに短く、予選は6分となりました。

 「6分では落語は成立しない」。数多くの方からそんな話を聞きましたが、それはしかたのないことだと思います。参加者を無尽蔵に募るなら全体の時間が延びていく。どこかで線を引かなければなりません。ですから今の規模を維持するならやはり6分ですし、学生たちは時間の範囲内で一つのネタを極限まで刈り込んで笑いを残す。

写真:策伝大賞ののぼり旗

策伝大賞ののぼり旗

 その代わり演じるのは一つのネタだけ。一つのネタをいかに密度の濃いものに仕上げるかを問う競技、陸上に例えるなら策伝大賞は短距離走だと考えられます。

 反対に決勝に上がればネタは三つ必要。相手との駆け引きも必要な、長丁場の戦いになるてんしき杯は同じく陸上に例えればマラソンです。同じ落語の大会といいながら両者は全く違うもの、私はそう思っているのです。

 だから策伝は客として見るのがすごい楽しみ。たった6分に刈りこむ構成力に長けた学生が天下を取ります。今年もあと一カ月後、その日がやってくるのです。

 今年は細江市長最後の策伝。どんなドラマが待っているのでしょうか。今から私はウキウキ、ドキドキしています。

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