生活相談員とは? 笑顔つなぐ福祉のわ
福祉の仕事ファイル
生活相談員とは、介護施設での契約業務、医療機関やケアマネジャーとの調整、家族との連絡など、利用者と周りの人やサービスとをつなぐ、施設の「顔」の一面を持つ仕事です。ソーシャルワーカーと呼ばれることもあります。
「生活相談員」という資格があるわけではなく、社会福祉士や精神保健福祉士資格を持っている、または一定期間の介護職経験があり、かつ介護福祉士等の資格を持っているなどの条件に当てはまればなることができます。介護職やケアマネジャーと兼務している方もいて、業務内容は施設によって異なります。
特別養護老人ホームや老人保健施設、デイサービスなどでは、生活相談員の設置が義務付けられています。
生活相談員の仕事ややりがいについて、セラヴィくつろぎデイサービス(大垣市)の正岡萌さんに詳しく聞いてみましょう。
-介護の仕事を志したきっかけは。
小学生の時、デイサービスを訪問したところとても楽しくて、帰宅後、母親に「将来は高齢者と関わる仕事がしたい」と話しました。すると「まずは介護の世界にはどんな資格があるかを調べてごらん」と言われ、国家資格「介護福祉士」について知りました。大垣桜高校福祉科では高校在学中に資格試験に挑戦できることもわかったため進学し、無事に資格を取って卒業することもできました。
その後、名古屋市内で介護職をしていたのですが、大垣に戻ってくることになったので、昨年3月にくつろぎグループに介護職員として入職しました。
-生活相談員になったいきさつは。
長く介護職をしているとは言え、介護保険の点数や、制度的な話の詳細に関して、ケアマネジャーや生活相談員ほどは詳しくなく、しっかりと知っておいた方が今後のためになるだろうと以前から思っていました。
昨年4月に、保育園に通う娘が熱を出し、数日間お休みをいただくことになり、少し時間ができたため、ケアマネジャーのテキストを買って学んでみることにしました。その流れで10月に試験を受け、合格することができました。
勉強をする中で、相談業務への関心が増していきました。そんな中、10月にセラヴィで長く生活相談員をしていた方が退職することになったため、施設側から生活相談員の仕事を引き継がないかと勧められました。不安はありましたが、期待してもらえていることがうれしかったので、挑戦してみることにしました。
-現在の仕事内容ややりがいは。
ケアマネジャーが作ったケアプラン(居宅サービス計画書)を参考に、利用者の心身の状況や家族の希望・要望などを聞きながら、デイサービスでの通所介護計画書を作っています。利用を検討している方が見学に来た際の案内もします。生活相談員になってから、一気に外部の方との関わりが増えたように感じています。もともと人と関わることが好きなので、やりがいに感じています。
比重は減りましたが、今でも介護業務や利用者の送迎をしています。事務所のみにいると、利用者の身体の状況がざっくりとしかわからないでしょうし、家族と顔を合わせる機会も減ってしまいますので、両方の業務に携われることは、大変な面もありますが充実感につながっています。
-気を付けている点は。
利用者や家族と話す際、「話したくない」と思われてしまうと得られる情報が減ってしまいますので、まずは否定することなくしっかりと話を聞くようにしています。また、話す際の言葉選びも、大切にしています。
-今後の目標は。
デイサービスを利用するにあたり、家族は職員の接遇や雰囲気など、いろいろなことが気になっているでしょう。私も保育園に娘を預けて働く身ですので、気持ちはとてもよくわかります。家族が安心して預けられる場、もちろん利用者に「ここに来たい」と思ってもらえる場であり続けられるよう、幅広い知識を身に付け、真心を持って支援していきたいです。