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若者にも無縁ではない性感染症

 性感染症(STI)は性行為によって起こる病気です。自覚症状が少ない場合もあり、気付かないうちに相手にうつしてしまうこともあります。治療をしないままでいると、不妊症や、妊娠できたとしても産まれてくる赤ちゃんの障害の原因になることもあります。

 全国988医療機関からの昨年の届け出数では、性器クラミジア感染症が2万4825件と最も多く、性器ヘルペスウイルス感染症の9308件、淋菌感染症の8107件と続いています。性器クラミジア感染症の場合、20~24歳で6981件、25~29歳で5435件が報告されており、若い人にとっても無縁な病気ではありません(数値はいずれも厚労省感染症発生動向調査暫定値)。

 それぞれどのような病気なのでしょうか。STIの種類について、岐阜市産婦人科医会の石原恒明会長に話を伺いました。

症例1 性器クラミジア感染症

 近年、若い人たちの間で流行している感染症です。多数の人と交際することで、感染のリスクが高まります。出血や臭いで感染に気付く女性が多いです。放置をすると体の奥まで広がっていき、子宮内膜炎、卵管炎、腹膜炎になり、不妊症を起こすこともあります。

 母体が感染していて治療をせずに出産すると、新生児結膜炎や肺炎を引き起こす危険性があるので、妊娠24週前後の妊婦健診で検査します。感染が確認された場合、夫やパートナーも一緒に飲み薬で治療します。

症例2 性器ヘルペスウイルス感染症

 性器やその周辺に水疱や潰瘍ができる病気です。根治は難しく、再発の可能性は一生付きまといます。治療で症状を鎮静化させることはできます。症状が出ていないときでも、性器や粘膜にウイルスが出てきて、相手にうつすこともあるので注意が必要です。

 女性の場合、微熱や強い痛みで感染に気付きます。再発時の症状は少ないです。妊娠中の方も要注意。胎児が産道を通るときに感染すると新生児死亡を起こすことがあります。出産予定日を1ヵ月以内に控えている時期に感染が分かった場合は帝王切開を行います。

症例3 淋菌感染症

 男性が感染した場合は尿道に激痛が、女性の場合はおりものに変化があるので、感染に気付きやすい病気です。治療をせずに放置しておくと、体内に感染が拡大していき、不妊の原因になることがあります。

 オーラルセックスをすることで扁桃に感染することもあります。妊娠中に感染すると、卵管や子宮内膜に炎症が起こり、早産や流産を起こす危険性があります。新生児に感染すると失明することがあるので、現在は分娩後、新生児に抗生剤を点眼して予防しています。

性感染症を防ぐために

● 自分の行動に責任を持つ
● 自分の体を守るという強い意識を持つ
● 相手からもらわない、自分からもうつさない
● 性交渉時、マナーとしてコンドームをつける
● コンドームを正しく使用、保管する (傷まないように日光の当たる場所、防虫剤のあるタンス、圧迫されやすい財布の中にいれない)
● コンドームは挿入前、オーラルセックスの際も使用する
● 症状がなくても定期的に検査をする

HPVウイルスの感染に気を付けよう

 若い女性の性感染症が増えていますが、その中でも特に、将来子宮頸がんになりやすいと言われている、HPVウイルスについて宮﨑千惠婦人クリニックの宮﨑千惠院長に伺いました。

 ヒトパピローマウイルス(HPV)は、性交渉によって皮膚や粘膜に感染するウイルスで、100種類以上の型がありますが、その中でも、16型、18型ウイルスが問題です。性交渉の経験がある女性のうち、7〜8割の人が一度はHPVに感染します。しかし、その多くは自身の免疫の力で自然になくなります。オーラルセックスなどでも感染するため、気付かないうちに相手にうつしてしまう恐ろしさがあります。産婦人科や保健センターで、1、2年に一度は検診を受け、自分の身体を守っていきましょう。

尖圭コンジローマ

 尖圭コンジローマは性器の周辺などにいぼのようなものができる病気で、主にウイルスの6型、11型のローリスク型が発症原因です。

 性交渉開始の低年齢化により、10~30代前半の患者が増えてきました。症状がなく気付きにくいため、子宮頸がん検診の受診時や、他の性感染症の治療のため婦人科を受診した際に発見されることが多いです。

子宮頸がん20190310183616-d06e463c.jpg

 20、30代の若い女性に増えている子宮頸がんは、HPVウイルスの高リスク型といわれる16型、18型をはじめとする十数種類のウイルスの持続感染が原因で、感染して約10年ほどかけて子宮頸がんになっていきます(図※)。症状がないため検診でしか発見できず、毎年約1万人の発症が確認され、約3000人以上が死亡しています。しかし、早期発見をすれば子宮を温存し、妊娠の可能性を残すことができます。

妊娠が最も多い年齢層と、子宮がんにかかる年齢層がほぼ一致してきたこと

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 今までは性交渉開始年齢と出産年齢が近い場合が多く、もしウイルス感染をしても妊娠時の検診で、子宮頸がんを前がん状態で発見できていました。しかし最近、性交渉開始年齢の低年齢化や晩婚化などの理由から、検診で気付いたときには既にがんになっていたというケースが増えてきました。

 妊娠中に子宮頸がんが見つかれば、自分の命を優先し、出産をあきらめなければならないこともあります。

 いつか出産する日に備えて最低2年に1度の検診を受けることは、身体を守るため、そしてエチケットとしても大切なことです。