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理学療法士とは? 笑顔つなぐ福祉のわ
福祉の仕事ファイル

 病気やけが、加齢などにより、立ち上がる、起き上がる、歩くなどの日常生活を送る上で必要な基本動作が難しくなった方の運動機能の改善や維持を目指してリハビリメニューを考え、サポートするのが理学療法士です。理学療法士は病院、診療所、福祉施設などで活躍しています。急性期、回復期、維持期のどの段階の方かによって、リハビリの目的や内容は異なります。

 理学療法士と混同されやすい仕事に作業療法士があります。作業療法士は、食事をする、字を書く、趣味のパズルをするなどの応用動作の回復を目的としているほか、うつ病や摂食障害などの精神障害の患者も対象としています。

 理学療法士になるには、大学や専門学校などの養成校で3年以上学び、国家試験に合格することが必要です。

 

介護老人保健施設「アルマ・マータ」の服部将之さんに詳しく聞いてみましょう。

理学療法士・服部さん.JPG -理学療法士になったきっかけは。

 高校3年生の時、祖父がパーキンソン病を患い入院をしました。歩くときにふらついたり転倒したりする祖父のリハビリを支える理学療法士の姿を見て、「とても人の役に立つ仕事。自分も専門性を身に付けて人の役に立ちたい」と思い、理学療法士の資格を目指せる専門学校に進みました。専門学校卒業後はクリニックの整形外科での勤務を経て、2年前からアルマ・マータで働いています。

 理学療法士になるきっかけを与えてくれた祖父は昨年、他界してしまいましたが、亡くなる一週間前に入所していた特別養護老人ホームへ会いに行った際、マッサージをしました。少しだけでしたが、専門性を身に付けた上で祖父と接することができたことは忘れられない思い出となっています。

 -クリニックと介護老人保健施設(老健)の仕事の違いは。

 クリニックの患者には、小学生から高齢者までいろいろな方がいます。ねんざやひざの痛みなどで通う方が多く、痛みを抱えながらもほとんどの方は自分で歩いて通院していました。回復することと、痛みが強くならないことを目的にケアをしてきました。

 老健の利用者の中には、脳梗塞の後遺症でまひが残り、寝たきりの方もいます。寝たきりの方は、足のむくみや床ずれ予防のために姿勢を変えたり、膝や肘が固くなりやすいので筋力訓練をしたりと、リハビリの内容はクリニックとは異なりますね。あまりの違いにアルマ・マータに来てしばらくは戸惑いの連続でした。

 また老健は状態がある程度落ち着いた方が過ごすところですので、劇的な回復を支えるというよりは、状態が悪くならないように、また少しでも状態が上向きになるにはどうしたら良いかと考えながらリハビリをしています。

 -やりがいや大変なことは。

 現在は主にデイケアの利用者の担当をしています。利用者の状態が少しずつ良くなっていたり、利用者自身が「歩ける距離が少し増えた」などと回復を喜んでいたり、ご家族が連絡帳に「おばあちゃんの足のふらつきが減りました」などと書いてくださっていたりするのを見るとうれしいですね。

 思ったほどリハビリの効果が出ない時は落ち込むこともあります。同じ病名であっても利用者の状態も性格も十人十色ですので、相手に合わせてより良い方法を探っています。

 -今後の目標は。

 理学療法士になって4年目で、まだまだ勉強中の身です。リハビリの選択肢をもっともっと増やすために職場の先輩からアドバイスを受けるだけでなく、外部の研修にも積極的に参加して学ぶようにしています。今よりもっと、利用者のためになるリハビリができるようになりたいですね。