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児童指導員とは? 笑顔つなぐ福祉のわ
福祉の仕事ファイル

 県内唯一の児童心理治療施設である、社会福祉法人桜友会が運営する関市の桜学館。心理的(情緒的)要因で集団に馴染めず不登校になっていたり、いじめ等で心理的困難にぶつかっていたりする小中学生が、入所または通所で心理的治療を受けながら元の学校への復帰を目指す施設です。現在は30人弱が入所しています。入所の子どもたちは、日中は隣接する公立小中学校の分級に通い、授業が終わったら施設に戻り、宿題や余暇活動、食事や入浴等をして規則正しく過ごします。

 施設での規則正しい生活を支え、成長を見守っているのが児童指導員です。6~8人で暮らすユニットごとに担当が決められており、安心して生活できるようにコミュニケーションをとったり、食事の配膳をしたり、担当の子どもの様子を記録したり、時には子ども同士のけんかの仲裁をしたりと業務内容は多岐にわたります。

児童指導員の仕事について、桜学館(社会福祉法人桜友会)の三沢千明さんに詳しく聞いてみましょう。

ファイル児童指導員三沢さん.jpg -児童指導員になったきっかけは。

 子どもの成長に関わる仕事がしたいと中学生の頃から思っていて、保育の短大に進みました。講義で、保護者のない児童らを公的責任で社会的に養育する「社会的養護」について学び、養護性のある子どもと関わる仕事に関心を持ち、児童養護施設と桜学館に実習に行きました。

 児童養護施設は、長い子は10年以上の間、我が家として過ごす場所であるため、実習先は家庭的な雰囲気に包まれていました。桜学館はおおむね2年で元の学校に復帰できるよう支援するところで、しっかりした枠があり、その中で生き生きと過ごす場所です。心理士を含む職員同士が「どうしたら子どもが変われるか」を話し合い、連携する姿にひかれましたし、10日間という実習期間でも子どもの成長や変化を感じることができたので、これからも見守っていきたいとの気持ちから、桜学館を志望しました。

 -持っている資格は。

 私は保育士と幼稚園教諭の資格を持っていますが、社会福祉士や小学校教諭などを持っている方もいます。持っている資格によって視点が違うので、他の資格の職員と話すと気付かされる点が多いです。

 -仕事の内容は。

 早番、遅番、日勤、宿直などがあり、1つのユニットを5人の職員で交代勤務しています。朝は朝食を準備し、子どもたちが学校に行く準備を手伝います。食事は法人直営のセントラルキッチンで用意しているので、私たちはお米を炊いたり温めたりする程度です。

 昼間は、キッチンや風呂などの共用部分の掃除、不登校の子のケア、個人記録の記入などをします。子どもたちが帰ってきたら宿題を見たり、余暇活動として一緒にスポーツをしたりして過ごしています。

 -気を付けている点は。

 自分の思い通りにならないと怒る子、物に当たる子などいろいろな子がいます。その子にどのように成長してもらいたいかを常に考え、ちょっとした関わりにも意味を持たせて接するようにしています。また、子どもの何気ない仕草が重大な意味を持っていることもあるので、言動や行動を見逃さないように気を付けています。

 -やりがいや大変な点は。

 子どもの成長を実感できた時の喜びは大きいです。退所した子や、退所前に元々いた学校に通う「試験登校」期間の子がなじめていると聞くとうれしいです。

 こちらの話の意図が伝わりにくい子と接する際は、声の掛け方や使う言葉を見直します。思っていることが伝わったときはとてもうれしいです。

 -今後の目標は。

 先輩職員の中に、周りの子に何を意識させたいかまで考えて一人の子に声を掛け、集団としてうまく動かすことができている方がいます。その子がどんな本質を持っているかを見抜く力があるのだと思います。私もその先輩のようになりたいです。もっともっと現場で経験を積み、スキルを高めていきたいです。