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職業指導員とは? 笑顔つなぐ福祉のわ

福祉の仕事ファイル



 一般企業等で働くことが現状では困難な障がい者に、仕事の場を提供するとともに、知識や能力の向上のために必要な訓練を行っているのが就労継続支援事業所(A型・B型)です。A型は事業所と雇用契約を結び、最低賃金以上を受け取って業務をするのに対し、B型は雇用契約を結ばずに業務し工賃を受け取ります。まずは短時間から働きたいという方はB型を選ぶことが多いです。就労継続支援事業所で、作業メニューを考えたり、指導したりしているのが職業指導員です。働く際、特に必要な資格はありませんが、障がいを理解し、一緒に寄り添う力が求められます。

職業指導員の仕事について、マルエイソーシャルサポート(岐阜市)の永田和也さんに詳しく聞いてみましょう。

-職業指導員になったきっかけは。

 学生時代は、スポーツ科学について学んでいました。卒業後は営業職に就こうと思い、LPガス販売などを手掛けるマルエイの内定をいただいたのですが、内定後に「5月に就労継続支援事業所を開設するので、職業指導員をしないか」と誘われ、こちらで働くことになりました。障がい者支援の仕事に就くことになるとは思っていなかったので、戸惑いが大きかったのですが、やってみないことにはわからないと思い、一歩踏み出すことにしました。

-具体的にはどのような業務をしていますか。

 A型とB型合わせて10人の利用者が通っているのですが、利用者がスムーズに働けるように一日の流れを考えたり、作業のやり方を教えたりしています。

 作業内容は日によって多少変わりますが、生シイタケをスライサーにかけた後に乾燥させ、給食センターなどに卸す業務は基本的に毎日あります。他にも、太陽光パネルの洗浄や給湯器の解体作業などをすることもあり、見本を見せたり、補助したりしてサポートしています。

-働く上で気を付けていることは。

 私よりも年上の利用者がほとんどですので、常に敬語で話すようにしています。あとは相手の話をしっかり聞くようにしています。

 また、利用者同士の相性の合う、合わないはどうしてもありますので、合わない人同士はできる限り離れた場所でできる仕事を割り振るなどしています。

-やりがいは。

 就労支援事業所で利用者が行う作業は、ボランティアでは決してなく、加工したシイタケは適正な価格で卸していますし、洗浄などの仕事も対価を得ています。そのため「クオリティーが低くても仕方ない」とお客さまに思われないように取り組んでいますし、評価していただき次の注文に結び付いたときはとてもうれしいです。

 利用者との関わりについては、最初は全然話さなかった方が、だんだんいろんな話をしてくれるようになると「距離が縮まってきたのかな」と思えてうれしくなります。いじめを理由に以前の職場を辞めたと話す利用者がいるのですが「ここは支援員が気遣ってくれてありがたい。休みはいらないので毎日でもここに来て働きたい」と笑顔で言ってくれたときは自信になりました。

-大変なことは。

 精神障がいや知的障がい、半身不随などいろいろな方がいて、一人一人状態が違います。人によっては同じことを繰り返し言わないといけない場合もあるので、どのように伝えれば理解してもらいやすいかを日々考えています。その分、思っていることが伝わったときはとてもうれしいです。

 また、事業所を開設した直後は、利用者に取り組んでもらう作業がほとんどありませんでした。作業がなくても利用者の賃金は発生しますし、やる気で来てくださっているのに申し訳ないので、スタッフ全員で相談し、地道に仕事を見つけていきました。おかげさまで今では最初ほど、手持無沙汰になることはなくなりました。

-今後の目標は。

 せっかくここで働く以上は、利用者が楽しく通えるよう、これからも雰囲気の良い職場づくりに取り組んでいきたいです。また、自社ブランドを作りたいという夢もあるので、どんな商品が良いのかなどを探り、形にしていきたいです。