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メディアばこ

利用者家族のケアも注力 笑顔つなぐ福祉のわ



職場の計らいで天職見つける 三尾麻莉恵さん(特別養護老人ホーム燦燦・岐阜市)

福祉のわ・燦燦三尾さん.jpg-介護職員になったきっかけは。

 もともとは医療事務として、特別養護老人ホーム燦燦を運営する幸紀会医療福祉グループに新卒で入職しました。最初はクリニックに配属されたのですが、すぐに「自分には向いていない」と感じ、悩んでしまいました。

 そんなとき、安江紀子理事長に「勉強がてら、デイサービスに行ってみたら」と勧めていただきました。それまで介護職に興味が持ったことはありませんでしたが、大好きな幸紀会を辞めたくなかったですし、人の役に立ちたいという気持ちが強かったので、とりあえず働いてみることにしました。

 すると利用者と関わることがとても楽しく「このままずっと介護の仕事をしたい」と思うようになりました。介護職員初任者研修が済んだタイミングで燦燦に移り、介護福祉士の国家資格を取得後はリーダーもさせていただいています。

-やりがいは。

 利用者の中には、寝たきりの方や、認知症が進行した方もいるのですが、いろいろなアプローチを続ける中で、良い変化が見られるとうれしいです。

 幸紀会では毎年、夏祭りを行っていて、寝たきりの方であってもリクライニングの車いすに座ってもらって一緒に参加するようにしています。私たち介護職員も当日は浴衣に着替えて利用者や家族と一緒に楽しみます。

 6、7年前のことなのですが、話せなくなっていた寝たきりの利用者が突然、「ありがとう」と言い、奥様の名前を呼びました。うれしくて泣く家族と一緒に私も大号泣でした。次の日にはまた元の様子に戻りましたが、翌年の祭りでも少しだけ言葉を話すことができました。きっとおはやしの生演奏や屋台のにおいなど、本物に触れたことで昔の記憶を呼び起こすことができたのでしょう。

 良くなっていく姿を見届けられる病院とは違い、特養は体の機能が低下していく姿を受け入れながらケアをしていくことが多いのですが、その中でも良くなるタイミングはあります。少しの変化でも家族は喜んでくださいます。そんな特養での仕事が大好きです。

-働く際に気を付けていることは。

 介護施設が一般的になった今でも「本当は自分が介護をしないといけないのに施設に入れてしまった」と後ろめたい気持ちでいる家族もいます。私としては、負担を感じながら向き合うのであれば、安全安心な環境に預け、お見舞いの際に笑顔で関わるという"良いとこ取り"をしてくださいね、という気持ちでいますが。

 そのため、家族に前向きになってもらうためのサポートは重要なことだと考えており、様子や良い変化を家族に知ってもらいたくて、お見舞いにみえたときはコミュニケーションをたくさん取るようにしています。

 そして「預けるかどうかで悩んだけれど、良い職員がいたから預けてよかった」と思っていただければ、こんなうれしいことはありません。利用者に言っていただく「ありがとう」とは全く別のうれしさがありますね。

-職場自慢の自慢できる点は。

 今年は新型コロナウイルスの影響で開催できませんでしたが、地域の方や家族を招いて行う幸紀会医療グループの夏祭りが自慢です。

 駐車場にやぐらが組まれ、郡上市のおはやしクラブの生演奏に合わせて盆踊りをしたり、介護職員や病院の看護師が焼きそばを焼いて振る舞ったり、ゲームコーナーで地域の子どもたちと触れ合ったり。私たち職員もとっても楽しんでいます。来年また、これまでのように華やかなお祭りができることを願っています。