岐阜県では、養豚農家が豚のえさや飼育方法にこだわり、さまざまな独自の銘柄豚肉を生産している。

 おいしい銘柄豚肉があることを知ってもらい、県内に幅広く周知するための一環として、県内の養豚農家、販売店、商品化などに携わる豚肉関係者を紹介していく。

VOL.03 豚道 岐阜可児店

可児市大森高脇2879-1
☎0574-60-2656

実際に足を運び仕入れることで新鮮で美味しい豚肉料理が提供できる

瑞浪ボーノポークの魅力が凝縮された豚しゃぶを提供

 「豚料理専門 豚道」は、豚肉料理の専門店として、2004年4月に名古屋市中区に桜橋本店がオープン。その後も店舗を増やし、1611月に岐阜県可児市に「豚道岐阜可児店」が誕生した。岐阜県が誇る県産ブランド豚「瑞浪ボーノポーク」を使用したしゃぶしゃぶは、同店の看板メニューで、豚肉のうまみをストレートに堪能できる。店長の後藤翔さんは「初めて食べたときは衝撃を受けた。ボーノポークのおいしさに惹かれて今の仕事に就いている」と話すほど。マネージャーの白井克明さんは「瑞浪ボーノポークのバラ肉は特に甘みが強くておいしさをより実感できる」と自信を持ってお勧めする。

 ボーノポークは質の良いえさを与えられ、丁寧に管理されて育てられたことで、霜降り割合が一般的な豚肉の約二倍となっている。甘みが強く圧倒的に柔らかい肉は、しゃぶしゃぶにして、シンプルにポン酢をつけて食べるだけで肉本来の魅力を感じられる。豚肉のエキスが凝縮されたスープでしめにいただく雑炊やラーメンも格別だ。

新鮮なさまざまな部位のホルモンも味わえる

 豚のさまざまな部位を焼いた豚焼きのメニューも充実。その日に絞めた朝挽きの豚肉ホルモン(内臓)を毎日仕入れており、新鮮な状態で客に提供している。「ハツ(心臓)、ガツ(胃袋)、シビレ(すい臓)などのホルモンは、臭みがなくて触感も楽しめる」と後藤さんが魅力を語るように、他店ではあまり見られないようなさまざまなホルモンを味わうことが可能だ。そのほかの部位の肉も大人気。霜降り状のきれいなサシがバランスよく入ったトントロ(首肉)も人気がある。長時間しっかりと煮込んだ角煮も人気料理の1つ。白みそと一緒に煮込むことで、ほかにはない風味が醸成されている。

上質な豚肉を仕入れられる秘訣は生産者らを敬う気持ち

 これだけ質の良い豚肉を食材として使えるのは、生産農家や仕入れ先と日頃から接し、現場に足を運んでいるから。生産者らの実際の作業内容をしっかりと目の当たりにし、把握していることが大きい。「関市の中濃ミート事業協同組合さんには毎日朝から足を運んで新鮮な肉を仕入れている」と白井さんは話す。また、店長である後藤さんが現場に出向くことで「直接ふれあうことで自分たちの要望も伝えられる」と言う。

 仕入れた肉を自分たちで切り分ける作業も行っている。すべては「お客さんに喜んでもらいたいから」と白井さんは力を込める。後藤さんは「生産者が原点となって、自分たち飲食店の仕事も成り立つ。そんななくてはならない仕事だからこそ尊敬の念も芽生える」と感謝しており、それが現場へ足を運ぶ原動力になっている。「多くのお客さんがうちの豚肉をおいしいと言ってくれる。客層は幅広く、常連客も多い」と白井さんは実感。これからも多くの人たちを魅了する県産豚を使った豚肉料理を提供していく。