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留学生受け入れ体制、年々進化 笑顔つなぐ福祉のわ

信輪会 今春、4人が介護福祉士養成校卒業



 信輪会・留学生.jpg現在、県内でも多くの高齢者施設で外国人職員が活躍しています。安八郡輪之内町と岐阜市、羽島市で特別養護老人ホームを運営する信輪会(田中信成理事長)では、介護人材の確保のために10年ほど前に外国人職員の受け入れを開始。受け入れ当初は、日本人男性とフィリピン人女性の間に生まれ、フィリピンで生活している新日系人が主でした。

 その後、留学の在留資格で入国し、県内の日本語学校で学びながら、施設でアルバイトをしてもらうというケースが増えました。ただ、あくまで留学生として来日しているため、卒業後は母国に帰る必要があります。日本人職員からは「せっかく利用者や職員との人間関係もでき、これからだという時に帰ってしまうため残念」という声が上がりました。

 そんな中、2017年の法改正により、介護福祉士国家資格を取得すれば、日本で長期間働けるようになりました。そこで信輪会では、介護福祉士を目指して専門学校に通いながら週28時間のアルバイトができるように体制を整えました。同年に来日した10人のうち、フィリピン出身の3人とスリランカ出身の1人が日本語学校を経て19年に三重県の四日市福祉専門学校に入学しました。

 4人は2年間、福祉の勉強とアルバイトの両立に尽力。そして今月、専門学校を無事に卒業することができました。フィリピン出身のブラオンフアン・カルロ・ガセロスさん(27)は「何度もくじけそうになりましたが、17年からずっと頑張ってきたので途中で投げ出すわけにはいかないと思って乗り切りました」と振り返ります。

 今年1月に受験予定だった介護福祉士国家試験は、新型コロナウイルスの影響で受験することができませんでした。現行のルールでは介護福祉士養成施設を卒業した外国人は、資格を取得していなくても5年間は日本で働くことができるため、4人は4月以降も日本に残り、来年の合格を目指しながら勉強と仕事に励んでいきます。スリランカ出身のアヌルッディカ・ラトナーヤさんは「母国にはまだ、介護施設はありません。日本でもっと経験を積んで技術を持ち帰り、いつか介護施設を作れたら」と夢を語ります。

 田中理事長は「受け入れ当初、日本人職員が英語で仕事を教えていて、うまくいかないことが多かったです」と振り返ります。「今では日本人職員は文化や習慣の違いを理解できるようになりましたし、同じ国の出身者らが仕事や生活のことを教えられるようになりました。今春、卒業した4人が働く姿や寝る間も惜しんで勉強する姿は新2年生8人、新1年生6人も見ていました。そういう意味でも、4人が無事に卒業できたことはうれしくすばらしいこと」と話しています。