岐阜新聞Web

  • 美濃
  • 飛騨
  • 美濃
  • 飛騨


笑顔つなぐ福祉のわ

人の役に立てる喜び創出 笑顔つなぐ福祉のわ

介護職員クローズアップ



やりがい聞いてみました

役割を重視した認知症ケアを実践 國枝裕さん(岩砂ローズガーデン・岐阜市)

-介護職員になったきっかけは
 母が障がい者施設で働いていて、よく遊びに行っていたので、子どもの頃から福祉は身近な世界でした。また、同居していた祖父母との関わりを通して高齢者福祉の道に進むと決め、福祉系の大学に進みました。卒業後、3年間は別の法人で働き、10年ほど前に友愛会に就職しました。介護老人保健施設「山県グリーンポート」を経て、今春に岩砂ローズガーデンに移りました。

-利用者と接する際に気を付けている点は。
 認知症ケアの基本的なことですが、一人一人を敬いながら、利用者が何を不安に感じているのかを想像して接するようにしています。そのためにはこれまでの暮らし方や趣味などの情報を知っておく必要があるので、利用者家族とのつながりも大切にしています。私はケアマネジャーの業務もしているのですが、ケアプランを作る時も、本人の思いに加え、家族の「こうしてほしい」という要望も反映させるようにしています。

-具体的には。
 ここで生活する皆さんが「住み慣れたお家にいたい」と口にします。ただそれは一番楽しかったときのお家のイメージからおっしゃられることがほとんどで、現実には、日中は一人ぼっちでいなければならないなどの理由から、施設で生活することになっています。
 施設で過ごす中で「ゆっくり休んでいてください」では、一人で過ごしているのと大差はありませんので、役割の意識を持ってもらうように心がけています。料理や洗濯などを決まった時間にお願いし、感謝を伝えるということを繰り返す中で、次第に率先してやっていただけるようになります。
 楽しみも大切なのでレクリエーションや行事にも力を入れています。「楽しい」だけでは物足りないと思いますので、その上で「人の役に立てた」という喜びを感じてもらうため、役割を担ってもらうことを大切に考えています。

-やりがいや大変なことは。
 利用者と一緒に食事作りなどをする中で「また何でもやるからね」と笑顔で言ってもらえるとうれしいです。その笑顔にとても勇気付けられます。本人が望むケアは何かを考えることは簡単なことではありません。長く入居されている利用者であればある程度はわかりますが、「〇〇だから〇〇ですよね」と決めつけてケアを提供するのは良くありません。一日一日変化はあるという気持ちで接するようにしています。認知症ケアは教科書通りにはいかないということを日々感じていますが、その難しさもやりがいにつながっています。


岩砂ローズガーデンの地域に向けての活動について。
 岩砂ローズガーデンでは、孤食、固食、粉食などさまざまな「こ食」対策として、地域の方と一緒に食事を作って味わう「Oneぱくキッチン」を2019年から行っています。私も運営メンバーの一人として、今年から広報と当日の調理を担当しています。コロナ禍で中断した後、今年8月に再開。現在は毎月第3土曜日に地域の方にお弁当を振る舞っています。本年度からはYou&Iの森いわのだ(岐阜市粟野東)でも配布を始めました(各30食程度)。
 8月は地域のボランティアと職員の計10人ほどで調理しましたが、9月は集まることは断念し、地域の弁当販売店で購入したものを提供しました。こういった活動を通して『地域の中の友愛会』『施設は気軽に行っても良い場所』と地域の方に身近に感じてもらうことが目標。これからも地域に根差し、活動を続けていきたいですね。