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笑顔つなぐ福祉のわ

杜をつくりつながる場に 笑顔つなぐ福祉のわ

フェニックスグループ・ゴザーレプロジェクト



◆医療・福祉施設発まちづくりが始動
 クリニックや特別養護老人ホームなどを運営するフェニックスグループ(本部・各務原市)では、「医療・福祉には地域づくりの視点が不可欠」という思いから、子どもから高齢者まで、あらゆる世代がつながりを感じられるよう、行政と連携しながらさまざまな事業に取り組んできました。
 2019年秋から、より幅広く住民同士がつながり、支え合える場を創出しようと「つながる街ゴザーレプロジェクト」に着手しました。ゴザーレとは「なんでもござれ、みんなござれ」という思いからきた名称です。名称の通り早速、職員以外にもフレンチシェフや庭師、陶芸家、教員、ボランティア団体などさまざまな人が集まり、さまざまなアクションが動き出しました。

400_2025年に向けて整備を進めている「ゴザーレの杜」の完成イメージⓒ大平麻琴/RFA.jpg

◆木を植えるための土づくりから着手
 その柱となるのが「ゴザーレの杜(もり)」。フェニックス総合クリニックのすぐ裏の2847平方㍍の敷地に実際に杜を作り、その中に地域の方々が集える施設やカフェ等も建設する予定で、超高齢社会の入り口と言われている2025年に間に合うように整備を進めていきます。
通常は建物を建てた後に植栽するという方法がとられますが、ゴザーレの杜ではまずは木を植えて杜を育ててから建物を建設するという方法を採用。木が育つための土壌づくりや植える場所については庭師の久志公洋さんが、木の配置を考慮した上での施設等の設計は東京芸術大学准教授で建築家の藤村龍至さんが中心となって進めています。
 9月26日には久志さんを招いたワークショップを開きました。講演会で久志さんは土に水をしみ込ませ、空気を通せるようにすることの大切さや方法を説明。今回の予定地においても、枝葉や炭、ウッドチップなどのあるものを使ってまずは土づくりをした上で苗木を植えることで、4年後には大きな木に育っていることなどを話しました。

◆地元団体と共にマルシェ開催も
 ゴザーレプロジェクトは他にもいろいろと進んでいます。同日、グループが運営するレストラン「GA楽」では、プロジェクトに関わっている地元団体の物品販売などを行う「TANA MARCHE」を実施。国内外の有名レストランを経て同店のシェフに就任した浅井康史さんが手掛けた弁当の販売で使われた容器は、麦バガスという100%土に還る素材を使用。ゴザーレの杜の土づくりにも活用することになっています。イベントの接客はグループ内の障がい者就労支援事業所の利用者が担当し、来場者とのかけがえのないひとときを過ごしました。大学生や高校生と共に共生社会について考えるワークショップなどもこれまでに複数回開かれています。
 プロジェクトに携わるフェニックスグループ地域共生社会推進室の吉田理さんは「保健、医療、福祉という一本の大樹で完結させるのではなく、暮らしに根差していわば杜を目指す視点を大切に、全ての人々がいきいきできる持続可能な社会の実現に向けてこれからも取り組んでいきたい」と話しています。