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わたしのキャンバスプロジェクト

Vol.1 予防できるがん「子宮頸がん」について知る

わたしのキャンバスプロジェクト 2021



本日4月29日から始まる「わたしのキャンバスプロジェクト」は、一人でも多くの女性が子宮頸がんをはじめとした婦人科系疾病にくじかれず、思い描いた人生を歩んでほしいという願いのもと、年間を通して女性の健康を啓発・応援していくキャンペーンです。

 


 

Vol.1 予防できるがん「子宮頸がん」について知る

岐阜新聞女子netが運営する「ぎふ子宮頸がん予防啓発キャンペーン」は今年で7年目を迎えます。

4月9日(子宮の日)にちなみ、毎年4月から子宮頸がんをはじめとする婦人科系疾病について、県内の産婦人科医や薬剤師の監修のもと特集しています。

第1回目のテーマは、近年20〜30代の若い女性の間で患者数が増加している子宮頸がん。産婦人科医の先生にその症状と予防方法を伺いました。

 

「予防できるがん」のはずが20~30代女性の間で増加傾向に

 子宮がんには、子宮下部の管状の部分に生じる「子宮頸がん」と、子宮体部にできる「子宮体がん」があります。「子宮頸がん」は子宮がんのうち約7割程度を占めます。

 「子宮頸がんは予防が可能ながんである」と言われてもピンとこないと思いますが、事実です。人間はさまざまながんという病になる可能性を持っています。その中で子宮頸がんはヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染によって発生するがんであることがわかっています。つまり感染症です。ということはウイルス感染を防げば予防できるのです。

 以前は発症のピークが40~50歳代でしたが、最近は20~30代の若い女性に増えてきており、30代後半がピークとなっています。国内では、毎年約1万人の女性が子宮頸がんにかかり、約3000人が死亡しており、また2000年以後、患者数も死亡率も増加しています。「先進国で子宮頸がんが増えているのは日本だけ」とも言われています。

【出典】国立がん研究センターがん情報サービス

 

悪化するまで自覚症状が出にくいため、発症に気づかないことも

 子宮頸がんの原因となるHPVは、性的接触により子宮頸部に感染します。HPVは男性にも女性にも感染するありふれたウイルスであり、性交経験のある女性の過半数は、一生に一度は感染機会があるといわれています。しかしHPVに感染しても、およそ90%の人においては免疫の力でウイルスが自然に排除されますが、残りの約10%の人ではHPV感染が長期間持続します。

 このうち自然治癒しない一部の人は、異形成とよばれる前がん病変を経て、数年以上をかけて子宮頸がんに進行します。子宮頸がんは子宮頸部の表面だけにがんがある上皮内がん、そして周囲の組織に入り込む浸潤がんに分類されます。

 子宮頸がんは通常、早期にはほとんど自覚症状がありませんが、進行するに従って異常なおりもの、月経以外の出血(不正出血)、性行為の際の出血、下腹部の痛みなどが現れてきます。これらの症状がある方は、婦人科に早めにかかって診察を受けて下さい。

 

定期検診やワクチンで予防

 どのがんでもそうですが、早期発見・早期治療が重要です。そのためには定期的な子宮頸がん検診が有効です。出血などの症状がなくても、20歳を過ぎたら2年に1回の子宮頸がんの検診を受けましょう。

 ちなみに、早期発見・早期治療が大事なのは先ほどもお伝えしましたが、子宮頸がんの場合はワクチンで予防することが可能です。ワクチンで予防する場合、性交渉を始める前の年代で接種する必要があります。また、接種した方であっても、子宮頸がん検診は定期的に受けてください。

 

Profile

松波総合病院 松波 和寿 院長

1983年東京医科大学卒業後、岐阜大学病院、高山赤十字病院、下呂温泉病院、多治見市民病院に勤め、2016年より病院長。
2018年より岐阜県産婦人科医会会長。

 


 

自覚症状が出る前に検診で早期発見を

 子宮頸がんは初期の段階では自覚症状がほとんどないため、発見が遅くなりがちです。早期発見により早期治療に結びつけるためには、子宮がん検診の有効性が非常に高いことが知られています。初期のがんで治療を受けることができれば、完治と将来の妊娠の可能性の両立も望むことができます。また、検診を受けると同時に、経膣超音波検査で子宮筋腫(きんしゅ)や卵巣嚢腫(のうしゅ)などの良性疾患が見つかることもあるので、定期的な受診をお勧めします。

 

子宮がん検診の流れ

 

 

Profile

宮﨑千惠婦人クリニック 宮﨑 千惠 院長

1976年に久留米大学大学院を卒業後、岐阜大学病院、岐阜市民病院勤務を経て1980年に宮﨑千惠婦人クリニックを開業。前岐阜県産婦人科医会会長。青少年の性教育や婦人科系の病気に関する啓蒙活動に積極的に取り組む。

 

 


主催|岐阜新聞社

後援|岐阜県 岐阜市 岐阜県医師会 岐阜市医師会 岐阜県産婦人科医会 岐阜市産婦人科医会 岐阜県看護協会 岐阜県商工会議所連合会