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わたしのキャンバスプロジェクト

Vol.2 月経との付き合い方

わたしのキャンバスプロジェクト 2021



「わたしのキャンバスプロジェクト」は、一人でも多くの女性が子宮頸がんをはじめとした婦人科系疾病にくじかれず、思い描いた人生を歩んでほしいという願いのもと、年間を通して女性の健康を啓発・応援していくキャンペーンです。

 

Vol.2 月経との付き合い方

岐阜新聞女子netが運営する「ぎふ子宮頸がん予防啓発キャンペーン」は今年で7年目を迎えます。4月9日(子宮の日)にちなみ、毎年4月から子宮頸がんをはじめとする婦人科系疾病について、県内の産婦人科医や薬剤師の監修のもと特集しています。

第2回目のテーマは、多くの女性を悩ませている月経との付き合い方についてです。産婦人科医と薬剤師の方々に、月経トラブルの原因と毎月の不調を楽にする方法を伺いました。

 

多くの女性を悩ませる月経困難症

 初潮を迎えてから閉経するまで、月経はほぼ1カ月の周期でやってきます。月経中は子宮内膜が出血を伴って体外に排出されるとともに、下腹部の痛み・腰痛・疲労感などの身体の症状や、イライラや憂鬱などの心の不調が現れやすくなります。月経困難症とはこのような症状が強く出る状態のことを指します。

 10~20代の若い女性にも多くみられ、月経のある人の約7割がおなかの痛みやイライラに悩まされている、という研究結果もあります。人によって程度はさまざまですが、中には日常生活に支障をきたす程つらい症状を抱える人もいます。

 

トラブルの原因は月経の回数!

 月経困難症の女性が多い理由の1つに、出産回数が減ったために、昔の女性に比べて生涯に経験する月経の回数が増えたことにあります。

 妊娠中・出産・授乳中のおよそ1~2年間は月経がストップしますから、1人の女性が5~6人ほど出産していた時代は、月経の中休み数も多く、生涯の月経回数は50回程度でした。しかし合計特殊出生率が1.36(2019年)と低く子どもを望まない人も多い現代女性は、生涯の月経回数が約450回と大幅に増えています。

 月経の回数が多いと、卵巣が常に稼働し中々休めないため、おのずと月経トラブルが増えているのです。

 

低用量ピルを服用すると月経が楽に

 月経困難症だけでなく排卵痛、月経前症候群(PMS)など、月の半分以上を月経に悩まされている女性は少なくありません。こうした月経に随伴する症状を改善させる治療の1つとして低用量ピル(LEP)の服用があります。低用量ピルは排卵を抑えこむ作用をもっており、毎日服用することで効果を発揮します。

 低用量ピルもさまざまな種類があり、毎月5日前後の休薬をするものや3カ月毎日服用する薬なども存在します。子宮内膜の増殖を抑え続けることにより月経を止めているため、月経血を体内に溜め込んでいるというわけではなく、身体への負担はありません。

 

Message
 出産回数が減ってきている昨今において、低用量ピルの服用は、生涯での月経回数を減らし、できるだけ負担を減らす有効な手段と言えるでしょう。

 経腹エコーでも診断可能なため、お気軽にかかりつけの産婦人科へご相談ください。

 

Profile

せきレディースクリニック

友影 九樹 院長

2002年に東京医科大学卒業。

金沢大学病院、福井県立病院等の勤務を経て、2019年にせきレディースクリニックを開業。

 


 

自分に合う薬と十分な休息で乗り越える

 月経困難症には痛みの原因となる疾患がない「機能性月経困難症」と、病気が原因となる「器質性月経困難症」の2つがあります。

 このうち「機能性月経困難症」には非ステロイド性鎮痛消炎剤がよく効きおよそ、80%の方に有効です。市販薬でも多くの種類が販売されていて、補助薬として鎮痙(ちんけい)剤や胃薬等を配合したものもあります。眠くなる成分を含む商品もありますので、購入時に薬剤師、登録販売者に相談して、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。医療機関で使用中の薬との成分重複にも注意しましょう。医師の処方による低用量ピル(LEP)が使われることもあります。

 月経周期と体調不良の関係を自覚し、適切に対処することで月経を乗り越えることができます。薬の服用の他にも、無理せず休養を取る、体を温め十分な睡眠時間を確保するなど、健やかに過ごしましょう。

 

月経前後の不調には漢方も効果があります

 「機能性月経困難症」には漢方治療も有用です。特にセリ科の当帰(とうき)や川芎(せんきゅう)を含む処方は温薬で鎮痛効果があります。また漢方の種類によっては月経前症候群(PMS)にも効能があり、服用することで症状を改善し月経時の体調を整えます。

 

Profile

ピノキオ薬局可児店 管理薬剤師

林田 由香 さん

1982年に岐阜薬科大学薬学部卒業。

2013年からピノキオ薬局に勤務。漢方・生薬認定薬剤師、スポーツファーマシストの資格を持つ。

 


主催|岐阜新聞社

後援|岐阜県 岐阜市 岐阜県医師会 岐阜市医師会 岐阜県産婦人科医会 岐阜市産婦人科医会 岐阜県看護協会 岐阜県商工会議所連合会