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海を渡った工芸技術

開館記念企画展「今、甦る陶磁器明治・大正」
(横山美術館 名古屋市東区)

 名古屋市東区葵に先月オープンした横山美術館は、明治・大正期に日本で作られ、欧米などに渡った輸出陶磁器に特化した私立美術館。来年1月31日まで開館記念企画展「今、甦(よみがえ)る陶磁器 明治・大正」を開催中で、緻密な絵付けや装飾を施した花瓶やつぼなど約640点を並べている。

 同美術館は、自動車関連などの情報提供会社会長の横山博一さんが20年近くかけて収集してきた輸出陶磁器約3000点を活用し、陶磁器文化の素晴らしさに触れてもらおうと、公益財団法人を立ち上げて開設した。5階建てで、展示スペースは1〜4階の計約660平方メートル。5階には多目的ホールと図書コーナーがある。

 同館が立地する名古屋市東区は輸出陶磁器の生産が盛んで、美濃焼などの生地に画工が絵付けを施していたという。企画展には同市周辺で制作された品をはじめ赤い釉(ゆう)薬の花瓶や鉢などに表情豊かな江戸の町人やサルの人形を付けた東京の隅田焼、瀬戸焼、萬古(ばんこ)焼、九谷焼、京焼、有田焼などの逸品がずらり。

 バラや貴婦人の絵に緻密な金盛(きんもり)の装飾を組み合わせたオールドノリタケ、明治期に万国博覧会に出品されて高い評価を受けたという高さ195センチもある有田焼の大花瓶、羽を広げたワシがサルに襲いかかる場面を岩に打ち付ける波しぶきとともに立体的に造形した大つぼも目を引く。

 鈴木俊昭館長(70)は「輸出陶磁器は外貨獲得を目指す明治政府の後押しを受け、工芸技術の粋を集めた日本のものづくりの原点だが、海外に渡って国内ではあまり知られていない。戻った品を通じて日本が誇る陶磁器文化に目を向けてもらえたら」と話した。今後もテーマに沿って年に2、3回、企画展を開く。

案内

 開館時間=午前10時〜午後5時。月曜日(祝・休日の場合は開館し翌日)と12月29日〜来年1月4日は休館。入館料=一般1000円、高大生・65歳以上800円、中学生以下無料。交通=名古屋市営地下鉄の東山線「新栄町」または桜通線「高岳」で下車、それぞれ徒歩4分。問い合わせ=横山美術館、電話052(931)0006。

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高さ195センチもある有田焼の大花瓶が展示された会場=名古屋市東区、横山美術館

高さ195センチもある有田焼の大花瓶が展示された会場=名古屋市東区、横山美術館

ワシがサルに襲いかかる場面を立体的に造形した大つぼなどが目を引く=同

ワシがサルに襲いかかる場面を立体的に造形した大つぼなどが目を引く=同

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