高校野球ニュース2019
七回の集中打再現ならず 主将藤田、執念のヒット

2019年08月21日 12:25

中京院中京×星稜=7回表中京院中京2死、右前打を放ち気を吐いた藤田=甲子園(撮影・堀尚人)

中京院中京×星稜=7回表中京院中京2死、右前打を放ち気を吐いた藤田=甲子園(撮影・堀尚人)

 六回を終えわずか1安打で0-6。星稜(石川)のマウンドで今大会ナンバーワン右腕・奥川恭伸が立ちはだかる劣勢でも、中京学院大中京ナインに諦めた選手は一人もいなかった。

 「この回だぞ。まず1点取ってこい」と、橋本哲也監督が声を掛けたのが七回。岐阜大会決勝から3回戦の優勝候補・東海大相模(神奈川)戦まで3試合連続一気の集中打で逆転し、夏2度の優勝経験がある作新学院(栃木)との準々決勝は2点を挙げるなど、劇的な猛攻を演出してきたのが選手が「中京イニング」と呼ぶこの七回。球場の雰囲気も変わり始め、再びの奇跡を信じたが、剛腕は突破口すら開かせてくれなかった。

 奥川に対して中京打線の狙いは真ん中より高めの直球一本。一回に先頭の高畠和希が直球を続けてファウルし、決め球のスライダーを捉えて中前打。勢いそのままにのみ込むかと思われたが、「自分たちを手玉に取っていた」と振り返った高畠の言葉通り、二回以降は150キロ超えの直球でねじ伏せられれば、2回り目からはスライダーでかわされ、狙いを絞らせてくれなかった。

 七回は2死から「意地で打った」と主将で4番の藤田健斗が147キロの直球を右前にはじき返したがここまで。藤田が「完敗。全て奥川君が上だった」と脱帽したように、散発2安打で公式戦では今チーム初の完封負け。中京の快進撃は準決勝で止まった。

 だが、逆転に次ぐ逆転で示した中京の猛打は、全国に衝撃を与えたに違いない。「次はこの上にいける打線で新たな歴史を刻んでほしい」。初のベスト4へ導いた主将は涙を拭い、一層言葉に力を込めながら思いを託した。