リーダーズボイス2020
飛騨産業株式会社 代表取締役社長 岡田贊三氏
次の100年へ技術と価値を伝承

20191227145050-b06086f1.jpg -100周年の年を迎えました。
 1920年の創業以来、さまざまな波がありました。当初は海外、特に米国で品質も鍛えられました。高度成長期に国内にシフトしてバブルを経験。その後どん底も味わいましたが、少品種大量生産から多品種微量生産へとの時代の変化に対応してきた。昨年はおかげさまで、近年では最高の売上高となりました。気は早いが、今は次の100年に向けていろんな種をまく時。100年後の飛騨が、技術力でも発想力でも世界の木工技術の聖地になっていてほしいと、願っています。
 -隈研吾さんとのコラボが話題。
 100周年記念事業の第一弾として昨年9月に「クマヒダ」を発表しました。隈さんが木製家具単体をデザインするのは初。当社の曲げ木や木工技術の高さに大変感動いただき、「日本の宝を世界に広めたい」とまで言われました。第一弾はダイニングでしたが、リビングソファやチェストなど隈さんのデザインでトータルに空間を作れるまでになればいいですね。
 -技術の伝承は。
 工業化が進み、今後も低価格のいわば「ファストファニチャー」は進むでしょうが、われわれのような対極がなければ、ともに生き残れません。ただ本当に価値のあるものは、やはり手でつくったものだと信じています。コストでなくバリューが認められる社会であってほしい。人口減で市場が縮むと言われますが、地球の人口はまだ増えている。ネット社会で距離は縮まっており、可能性は無限です。技術者もまだまだ世界から集まってくると思います。
 -その他の展開について。
 地元で切ったスギの枝葉から抽出した蒸留液を使う活力液「いくまい水」を、昨年事業化しました。森の恵みである木を、余すことなく使う発想。農産物の食味の向上や収量アップが報告されています。今後が楽しみです。20191227145120-63bbd42e.jpg