リーダーズボイス2020
株式会社安部日鋼工業 代表取締役社長 井手口哲朗氏
得意のPC技術、需要拡大図る

20191228170230-56208f18.jpg ―人手不足による採用面の影響は。
 建設業界の不景気で、一時期は採用を減らしていましたが、最近は最低15人の採用を目標にしています。今年4月の入社予定者は19人。うち女性は6人で、5人は技術職、2人は留学生です。多様性(ダイバーシティー)が叫ばれる中、女性や外国人が多く入社することで、社内にさまざまな効果が生まれることを期待しています。
 ―海外事業にも力を入れています。
 さかのぼると、海外は1981年にエジプト・カイロで大日本土木さんと共同企業体をつくってプレストレストコンクリート(PC)タンクを造ったのが始まりです。ブータンやアフリカのマリ、リベリアなど各国で橋の建設をお手伝いし、現在はバングラデシュの首都ダッカで高速鉄道の建設工事に加わっています。強度を高めたPCは得意の技術です。スリランカでは国際協力機構(JICA)のODA実証事業として、屋根を空気圧で膨らませたエアドーム工法の技術を使い、PCタンクを完成させました。
 ―国内事業の状況は。
 老朽化した水道タンクの新設はもちろんですが改修や更新にも力を入れています。改正水道法で、水道事業は自治体の広域連携が可能になります。タンク数を半分にして造り替えれば、行政の管理費は半分で済みます。タンクの全体数は減っても更新需要が見込めます。タンク以外にも、鉄道のPCマクラギの全国シェアはトップです。特に東海道新幹線は、20年がかりで新型マクラギへの取り替えを行っています。相次ぐ災害で、橋の架け替え需要も高まっています。
 ―昨年はPCで強度を高めた漁船用の燃油タンクを宮城県気仙沼市に整備しました。
 船がぶつかってもいいように設計してあり、津波対応という面では世界でも初めて。国土強靱(きょうじん)化という意味でも今後の国内需要増を期待しています。20191228170247-6e2eda9e.jpg