岐阜大仏は「三大仏」か? 全国にライバル

2018年04月27日 07:56

  • 岐阜市大仏町にある岐阜大仏。市教育委員会が詳細調査を予定している 
  • 富山県高岡市にある高岡大仏。「日本三大仏と称されている」と紹介されている  

 大仏といえば奈良と鎌倉があまりにも有名だが、岐阜市大仏町の正法寺にある「岐阜大仏」の前には「日本三大仏」と紹介する石碑が建つ。しかし、全国に"三大仏"と称される大仏は他にも富山県高岡市、神戸市、茨城県牛久市などにある。岐阜市教育委員会は国重要文化財指定を見据えて本年度、岐阜大仏の詳細な調査に着手する。大仏の価値を高める上で重要な調査となり、結果に注目が集まる。

 岐阜大仏は岐阜城下の正法寺にあり、高さ13・7メートル。天保3(1832)年に完成した。竹と粘土、和紙で造られており、和傘やうちわ作りが盛んな岐阜ならではの大仏だ。県重要文化財に指定されている。

 昨年11月から約3カ月間にわたり、インターネット検索大手グーグルのテレビCMで「三大仏」の一つと全国に紹介され話題に。小林孝道住職は三大仏を名乗るのは「オフィシャルではない」としつつ、「江戸時代までに造られた10メートル以上の大仏は奈良と鎌倉、岐阜しかないとされる。地場産業を結集させて造られた岐阜大仏に誇りを持っている」と胸を張る。

 一方、高岡市の「高岡大仏」は看板を複数立て、「日本三大仏」と強調する。高さは7・4メートルと岐阜大仏より低いが、岐阜大仏との共通点は多い。高岡城跡近くの大仏寺にあり、高岡銅器で有名な高岡ならではの青銅製。日本遺産の構成要素となっている点でも岐阜大仏と重なる。

 また、牛久市にある「牛久大仏」は台座を含めた高さが120メートルあり、ギネス世界記録に認定された世界一の青銅製立像の大仏。戦前から三大仏に数えられていたという神戸市の「兵庫大仏」は1991年に再建され、開眼法要には奈良と鎌倉の両大仏の代表も臨席したという。牛久大仏の関係者は「メディアからは『奈良、鎌倉、牛久』と取り上げられることもある」、兵庫大仏は「それぞれの町でそれぞれの大仏を三大仏と言えばいいのでは」との立場だ。

 「三大」は何を指すのか。岐阜、高岡両市教委とも、三大仏に「明確な根拠はない」と口をそろえる。高岡市教委は「市民の手で造った大仏に誇りと愛着を持つ市民の思いを大切にしようと三大と称している」と説明した。

 岐阜市教委によると、詳細調査は三大仏の地位を確かめるのが狙いではないと説明するが、「調査で価値が認められれば、おのずと三大仏と言われるようになるのでは」と期待ものぞかせる。現地のほか、大本山万福寺(京都府宇治市)での文献調査も予定している。

 奈良と鎌倉の大仏はいずれも国宝。国宝とまではいかなくとも、国重文に指定されれば、名実共に三大仏に一歩近づくかもしれない。


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