「真実の食べ物」朝ドラ効果、五平餅爆発的人気

2018年05月13日 07:50

朝ドラ効果で爆発的に売れている郷土料理の五平餅=今月9日、恵那市岩村町、みはら

朝ドラ効果で爆発的に売れている郷土料理の五平餅=今月9日、恵那市岩村町、みはら

◆GWの岩村、例年の5倍超

 長野県木曽地域から岐阜県の東濃地域、愛知県の三河地域に伝わる郷土料理の五平餅。4月に放送が始まったNHKの連続テレビ小説「半分、青い。」で物語序盤から岐阜を象徴する味覚として登場して以降、ロケ地の恵那市周辺の五平餅店や高速道路の休憩所などで爆発的に売れる現象が起きている。農繁期や親類らの集まりで振る舞われてきた地域の素朴な料理が、朝ドラ効果で、全国区へと飛躍しようとしている。

 4月28日放送の回では、俳優の豊川悦司さん演じる少女漫画家の秋風羽織が「うんま(うまい)。これは真実の食べ物だ」と五平餅を口にして絶賛。差し入れとしてこの五平餅を届けた俳優永野芽郁さん演じるヒロイン鈴愛(すずめ)は秋風と対面することとなり、これをきっかけに漫画家の道へと進む。

 この直後、短文投稿サイトのツイッターでは「五平餅作ってみた」とレシピを紹介したり、「五平餅食べてみたい」などとつぶやいたりする投稿があり、一時、ツイッターのトレンド(話題の言葉)に入る過熱ぶりだった。

 ロケ地効果で、ゴールデンウイーク(GW)期間中、撮影地付近の観光施設5カ所の観光客入り込み数が昨年同期比5倍を記録した恵那市岩村町。撮影のあった岩村本通りで五平餅を販売する3店舗はいずれも長蛇の列ができた。連休後半は、連日、例年の5倍超の5千本が売れたという「みはら」の店主長尾美佐子さん(73)=同市明智町=は「全国に五平餅が知られることはうれしいし、さまざまな店が潤えば」と顔をほころばせる。真空パックセットも販売する「あまから」(同市大井町)の西尾大介専務は「例年と比べて売れ行きはかなり順調」と言う。

 中日本高速道路名古屋支社(名古屋市)によると、東濃地域を中心に愛知、長野県にわたる中央自動車道のサービスエリア(SA)、パーキングエリア(PA)の5カ所では、五平餅の売れた本数が、放送前の3月に比べ、4月28日から5月6日までのGWだけで4・2倍と爆発的に売れた。GWの駒ケ岳SA(長野県駒ケ根市)では9・4倍にも達した。同支社の担当者は「『朝ドラで見たから』と買っていく人が多い」と語る。

 恵那市観光交流課は「全国にPRするチャンスで、観光客に何かしら情報を提供できないか」と話し、手始めとして市内の五平餅店のマップ制作を検討している。NHK制作局ドラマ番組部によると「五平餅は今後も岐阜の象徴という位置付けで、ドラマの終盤まで出てくるキーアイテム」という。降って湧いたような五平餅ブームはしばらく続きそうだ。

 【五平餅】 炊いたうるち米を歯応えが残る程度につぶし、たれを付けて串焼きにした郷土料理。わらじ型、団子型、きりたんぽ型などさまざまな形がある。たれは主にしょうゆベース、みそベース、ミックスに分かれ、つぶしたクルミやゴマなどを入れることもある。


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