美濃焼原料、東濃で枯渇危機 埋蔵粘土を調査

2018年05月17日 09:20

中山鉱山を視察する美濃焼みらい会議関係者=2015年、岐阜県土岐市土岐津町土岐口

中山鉱山を視察する美濃焼みらい会議関係者=2015年、岐阜県土岐市土岐津町土岐口

 岐阜県多治見、土岐、瑞浪の3市や県、美濃焼関連の業界団体などで構成する「美濃焼みらい会議」が、本年度に東濃地域で同会議として初の原料資源調査を実施する。美濃焼の原料となる粘土の枯渇問題を解決するために、原料粘土が多く埋蔵されている地区の選定作業を進める。6月に開く会議を経て、詳しい調査方法やスケジュールなどを公表する。

 美濃焼みらい会議は、陶磁器やタイルなど美濃焼の原料問題やブランド力向上への方策を探る目的で2014年12月に発足。構成団体の一つ、県窯業原料協同組合によると、原料粘土を掘る東濃地域の鉱山は1992年には40カ所以上で採掘されていたが、原料の枯渇や需要減による不採算などを理由に現在は数カ所にまで減少。近年は2016~17年にかけて山又鉱山(多治見市)と中山鉱山(土岐市)が閉山した。

 東濃地方は主に陶磁器やタイルに使う良質な木節粘土と蛙目(がいろめ)粘土を採掘できる場所という。同組合の寺嶋一博専務理事は「木節粘土は山又鉱山で年間使用量の5年分ほどを貯蔵しているが、蛙目粘土の多くは愛知県瀬戸市から供給してもらっている」と現状を説明する。

 同組合は2015年、原料確保につなげることを目的に、県窯業原料資源調査委員会が1977年に作成し、粘土層が埋蔵されている可能性がある地点を示した「東濃地域粘土鉱床分布図」を関係機関に配布した。寺嶋専務理事は「木節と蛙目の両方で新しい採掘場所を探さないと原料が枯渇する」と危惧し、「原料を掘り当てていかないと美濃焼がなくなってしまう」と美濃焼みらい会議による資源調査の意義を強調する。

 県陶磁器工業協同組合連合会がまとめた統計では、昨年の美濃焼生産出荷額は約300億円。出荷額ベースで国内産陶磁器の約5割のシェアがある。


カテゴリ: 社会 経済