金華山中腹調査 レーザー測量が石垣群に導く

2018年05月31日 07:51

レーダー測量により作成された地形起伏図には新しく発見された石垣群の痕跡とみられる平たん地(右部)やそこに至る細い道が写っている。左部の太い線は登山道「めい想の小径」(中日本航空提供)

レーダー測量により作成された地形起伏図には新しく発見された石垣群の痕跡とみられる平たん地(右部)やそこに至る細い道が写っている。左部の太い線は登山道「めい想の小径」(中日本航空提供)

 岐阜市の金華山中腹で新たに存在が分かった岐阜城の石垣群。その発見には、最新のレーザー測量技術が大きな役割を果たしていたことが30日、分かった。ヘリコプターから超高密度でレーザーを照射し、作成した地形起伏図が手掛かりとなった。市教育委員会の担当者は「今後も金華山の遺跡分布調査で活用していきたい」と話している。

 図を作成したのは、航空機運航会社「中日本航空」(愛知県豊山町)。山の地形は木々に阻まれ、通常の航空写真では詳細には分からないが、障害物を通り抜けるレーザーを上空から当てると、地表から跳ね返ってくる時間差を計算して地形を測量できる。同社ではこれまでも名古屋城や七尾城跡(石川県)で実績がある。

 通常は1平方メートル当たり1~4点の照射をするが、同社は今回、技術試験を目的に100点の照射を試みた。1秒間に40万~50万回の頻度で照射した。結果、高さ10センチの石段まではっきりと分かり、発見された石垣群周辺は尾根が平たんになっていることや現地に至る細い道も写っていた。

 独自の解析技術で可視化して地形起伏図を作成、データは市教委に無償で提供した。レーザー測量を担当する統括リーダーの小野貴稔さんは「金華山に埋もれている遺跡の発見に貢献できたことはうれしい。今後も新発見につながれば」と喜ぶ。「面白いものが見つかるのでは」と金華山での試験測量を勧めた岐阜大工学部の沢田和秀教授(地盤工学)は「計画的に金華山の調査を進める第一歩として役立つだろう」と成果を受け止めた。

 小野さんは金華山の環境保全活動に取り組む関係者らと図を活用した勉強会を開き、古地図と比べるなどの活動もしている。市民団体「金華山サポーターズ」の野尻智周事務局長は「有効活用し、金華山の新しい魅力が発見されれば地域活性化にもつながる」と期待している。


カテゴリ: 社会