美濃白川茶、抹茶市場に挑戦 煎茶伸び悩みで商品化

2018年06月10日 08:29

  • 抹茶生産のため黒い遮光資材で茶畑を被覆する安江定廣さん=白川町白山 
  • 白川町産の抹茶「飛山」=同町河東、道の駅「美濃白川ピアチェーレ」 

 美濃白川茶の産地岐阜県白川町で、抹茶を商品化する挑戦が行われている。美濃白川茶の主力商品である煎茶の需要が伸び悩む一方、抹茶市場は拡大。関係者は「まだ試験段階だが、抹茶をブランド化して海外に輸出できれば」と話している。

 お茶の生産組合と茶商でつくる「町茶業振興会」が、需要低迷と離農に歯止めをかけようと2015年から始めた試み。宇津尾茶生産組合長の安江定廣さん(66)が所有、管理する同町白山の10アールの茶畑で、色の濃いお茶ができるため抹茶に適した品種とされる「おくみどり」を栽培。茶葉を抹茶に加工して、「飛山」の商品名で道の駅「美濃白川ピアチェーレ」でテスト販売している。

 抹茶用の畑は、煎茶用と違い新芽が伸び始める時期から摘み取りまでの20日間ほどを黒い遮光資材で被覆。これで葉の緑を濃くして、独特の芳香やまろやかな旨味を出している。安江さんの茶畑では色の濃い茶葉を作ろうと、昨年は85%だった遮光率を今年は一部を94%に変えるなど試行錯誤が続いている。

 新たな試みには課題も多い。町内に抹茶工場はなく、茶葉を乾燥させて抹茶の原料となるてん茶にする工程は静岡県菊川市、てん茶を石臼でひいて抹茶にする工程は愛知県西尾市の工場に委託。町内に工場を作るには今後、抹茶が市場の支持を得て量産化に結びつくかにかかっている。

 財務省の貿易統計によると、抹茶を含む日本茶全般を指す「緑茶」の輸出額は昨年、過去最高の143億円に達した。町農林課によると、世界的な抹茶ブームが輸出を後押し、国内の抹茶市場も伸びているという。

 安江さんは「白川茶が対象となる急須で煎茶を飲む層は減るばかり。抹茶で市場を活発にしたい」と話している。


カテゴリ: 経済

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