プラズマ「乱流」伝播現象を観測 核融研が世界初

2018年06月21日 07:34

研究成果を発表する居田克巳教授=土岐市下石町、核融合科学研究所

研究成果を発表する居田克巳教授=土岐市下石町、核融合科学研究所

 核融合発電の基礎研究に取り組む核融合科学研究所(岐阜県土岐市下石町)や米ジェネラル・アトミックス社の研究者で構成する共同研究グループは、加熱したプラズマ内で発生し温度上昇を妨げる「乱流」が伝播(でんぱ)する現象を世界で初めて観測した、と発表した。

 核融合発電には高温のプラズマを磁場で閉じ込めることが必要で、実用化に向けて温度を効率よく上昇させるには乱流を抑制することが課題の一つとなっている。

 これまでも現象自体は理論上予想されていたが、乱流が別の場所で発生して伝播してきたものか、その場所で発生したものかを区別することは困難だった。今回の研究成果により、乱流の伝播を阻止して効率的に乱流を抑制する新たな制御法の開発が進むと期待されている。

 研究は日米の共同研究事業の一環で行われ、同研究所の居田克巳教授らが考案した「瞬時加熱伝播法」を米カリフォルニア州に本社を置く同社のトカマク型核融合実験装置に応用し、2015年8月に実施した。得られたデータを解析し、乱流が伝播する現象を観測した。論文は今月12日、米科学誌「フィジカル・レビュー・レターズ」に掲載された。

 居田教授は「今後は乱流がどこで生まれ、どう伝播していったのかを明らかにすることで効率的な乱流の制御につなげたい」と話した。


カテゴリ: 科学