多治見市でコバエが大量発生 発生源など謎多く

2018年06月29日 07:49

多治見市で大量発生しているコバエ(同市提供)

多治見市で大量発生しているコバエ(同市提供)

 岐阜県多治見市で近年、コバエが大量発生している。2010年以降、主に東濃、中濃地域で発生するようになり、同市では毎年6、7月に多く飛び、家屋に侵入するなどし市民を悩ませている。発生源など生態について不明な点も多く、有識者は「侵入を防ぐ対策を講じてもらうしかない」と話す。

 静岡大の田上陽介准教授(応用昆虫学)によると、コバエの大量発生は04年ごろに静岡県で起きたのを皮切りに愛知県、岐阜県などに拡大。2年前に福岡県で確認されるなど西日本で広がりを見せている。多治見市や福岡県で採取したコバエを鑑定した結果、最初に静岡県で発生したコバエと同種だったことが判明した。ただ、大量発生した地域は次第にコバエの数が減少するのが一般的。「毎年続いている多治見市の状況は全国的に特殊」(田上准教授)という。

 同市では当初、市南部の市之倉地域からの発生報告が大半を占めていたが、現在は市内全域に拡大。今年も市には今月15~28日の約半月間だけで、市民から約40件の問い合わせや対策を求める声が寄せられたという。

 コバエは午前中に発生し、窓際や水辺に密集する傾向がある。発生源は特定されておらず、山裾の土中で幼虫が成長すると推察されている。成虫の体長は2ミリ程度。毒などの直接的な被害はないが、網戸をかいくぐって家屋に侵入したり、目や口の中に入ったりする。13年には関市の学校給食センターの調理場内でコバエが見つかり、3日間給食の提供ができなかった被害例もある。

 コバエの発生を抑える有効な対策は今のところなく、市環境課は「家庭で効果があった侵入対策があれば教えてほしい」と頭を抱える。各家屋で窓を閉めたり、扇風機で屋外に向け送風したり、忌避剤を噴霧したりして侵入を防ぐしかないのが現状だ。田上准教授は「毎年、成虫の発生時期にしか詳しく調べることができない」とコバエの生態解明へのハードルも口にした。


カテゴリ: 社会