大雨、県内観光地に打撃 長良川鵜飼や下呂温泉

2018年07月10日 08:01

  • いつもはにぎわう昼間の時間帯にもかかわらず、観光客がまばらに歩く古い町並み=高山市上三之町 
  • 大雨で転覆した鵜飼観覧船=岐阜市、長良川 

 大雨の影響で主要道路と鉄道が寸断された岐阜県の飛騨地域では、観光への影響が広がっている。県南部、富山県の両方面から高山市などに入ることが困難な"陸の孤島"状態になり、下呂温泉ではキャンセルが続出、高山市の古い町並みは閑散とし、関係者は一刻も早い復旧を望んでいる。

◆高山市や下呂温泉

 下呂温泉のあるホテルでは7、8日の予約客のほぼ9割がキャンセルした。「館内は閑散」と担当者はぶぜんとした様子。9日朝からは、9日以降の予約客から下呂温泉へのアクセス方法などの問い合わせが殺到、スタッフが対応に追われた。担当者は「列車で来る予定だったお客さんには、車に代えてもらうよう伝えている」と話す。別の旅館の社長は「8日は全室キャンセル。鉄道、道路がふさがったので仕方ない」とため息をついた。

 下呂温泉観光協会の瀧康洋会長は「夏の書き入れ時に痛過ぎる。下呂温泉は何も被害がないが、風評被害が心配」と頭を抱える。

 9日の昼間、普段は平日でも観光客でにぎわう高山市上三之町の古い町並みを歩く観光客の姿はまばら。町並みの中にある飛騨高山まちかど観光案内所によると「歩いている観光客はいつもの4分の1くらい。8日は交通情報に関する質問が多かった」という。

 観光客が行列をつくる飛騨牛握り寿司の店の店長は「2012年の開店以来、こんなに少ないのは初めて。遅くても夏休みまでには復旧してもらわないと」と影響が長引くのを懸念した。

◆長良川鵜飼

 記録的な大雨に見舞われ、岐阜市の長良川鵜飼、関市の小瀬鵜飼では、鵜飼が中止となり、観覧船の予約がキャンセルとなったほか、岐阜市の旅館やホテルも宿泊客の予約取り消しが相次ぎ、観光面で打撃を受けた。

 長良川鵜飼では、9日まで6日連続で鵜飼が中止となり、計約4千人の観覧船乗船客がキャンセルとなった。現時点で昨季の総キャンセル数を超えており、市鵜飼観覧船事務所の林素生所長は「大雨でこれほど長く中止となったのは、近年にない。自然相手なので仕方ないが収入面の影響は深刻」と肩を落とした。

 そのほか、大雨の影響で観覧船2隻が転覆。再開時期は未定で、船の点検や航路の安全確認などを行い、再開に備える。

 岐阜市湊町の旅館十八楼は、6、7日の宿泊予約のうち3、4割が、同市長良の岐阜グランドホテルも6日から8日までの予約の2割程度が取り消しとなった。岐阜長良川温泉旅館協同組合の担当者は「鵜飼中止の影響もあり、キャンセルがかなり出た。集客が見込める今週末には再開してほしい」と話している。

 小瀬鵜飼では、先月28日から今月10日まで中止となる。関遊船によると、乗船客のキャンセル数は計約470人に上るという。


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