泥の海、町をのむ 関市の津保川流域

2018年07月10日 07:36

  • 流され、住宅に押し付けられるように横転した車=8日午前、関市上之保 
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 8日未明にかけての豪雨により、岐阜県関市東北部の上之保から、同市神野など同市東部にかけての24キロにわたり津保川が氾濫、川沿いに水があふれた。流域では死者、負傷者各1人、床上浸水225棟の被害が発生した。同日午前、現地入りし、被害の実態に迫った。

 同市中心部から、津保川沿いを県道関金山線で武儀方面に向かうにつれ、道路は泥にまみれ、農地には流木などが点在。さらに上流部の上之保、川に沿って住宅・店舗が並ぶ同市上之保事務所周辺は、路上も建物の1階部分も一面泥の海。流されたとみられるひっくり返った自動車や家財道具などが散乱していた。道路の舗装面がはがれ、地面がむき出しになった所も。川の橋には大きな流木が引っ掛かり、流れの強さを物語っていた。

 同市によると、同事務所周辺で津保川が氾濫したのは8日午前2時ごろ。同所の自治会班長の宇佐見勲さん(67)によると前日深夜から「水かさが増している」と気になっていたが、午前2時ごろ家族からの電話で慌てて外を見ると「道を濁流が流れていた。水深1メートル以上あったと思う。すぐに家の中に入ってきた」。

 宇佐見さん方と道路を挟んだ向かいの川側の平屋建てに住む女性(62)方は家の中に高さ1メートル半近くまで浸水した。女性は足が不自由だったが、浮いたベッドの上で天井の部材にしがみついて耐え、水が引き始めてから宇佐見さんや消防団員が助け出したという。

 岐阜地方気象台によると同市の富之保付近と下之保付近では8日午前1時ごろにかけて、1時間でおよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられる。神野に住む農業の男性は川沿いの畑のビニールハウス2棟、農機具小屋が流され、自宅は浸水被害を受けた。「サイレンが鳴った午前2時ごろには川は増水していた。車を移動させるのがやっとだった」と語った。

 8日朝から、住民は屋内の泥のかき出しや汚れ壊れた家具の搬出作業に追われ、家族、住民同士協力して作業する姿が見られた。


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