村上肥出夫さん死去 画家「色彩の魔術師」

2018年07月19日 08:03

 「色彩の魔術師」とも称され、厚塗りのマチエールと独自の色使いで日本やヨーロッパの風景を描いた画家村上肥出夫(むらかみ・ひでお)さんが11日午前3時40分、敗血症のため、岐阜県下呂市の老人福祉施設で死去していたことが18日、分かった。84歳。土岐市出身。葬儀は近親者で行った。

 土岐市に生まれ、養老郡養老町に育った。ゴッホに憧れて独学で絵を学び、20歳で上京。銀座の路上で絵を売っていたところ、彫刻家本郷新に見出され、才能を開花させた。1963年に銀座の個展で鮮烈なデビューを果たすと、画家林武、文豪川端康成らに称賛され、一躍時代の寵児となった。

 60年代には、戦後の面影を残す神宮や秋葉原などを重厚なマチエールで描き、見る者の心を揺さぶった。一転、パリ遊学などを経ると、描く風景画に青やオレンジの原色が加わり、大胆で鮮やかな構図から「色彩の魔術師」とも称された。79年に帰郷後は下呂市萩原町にアトリエを構えて創作を続け、20年ほど前に体調を崩し療養生活を送っていた。

 県美術館の廣江泰孝学芸員は「戦後の日本のアートシーンにきら星のごとく輝き、時代に愛された画家だった」と評した。


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