SNS「サイバー補導」急増 少女が援助交際目的投稿 

2018年08月03日 07:50

18歳未満とみられる少女がSNS上に書き込んだ投稿。非行を未然に防ぐために捜査員が監視している=県警本部

18歳未満とみられる少女がSNS上に書き込んだ投稿。非行を未然に防ぐために捜査員が監視している=県警本部

 インターネットを介して援助交際などを持ち掛ける少女たちを警察官らが補導する「サイバー補導」が急増している。昨年1年間で14件だった岐阜県内のサイバー補導は、先月末までに14件に達した。会員制交流サイト(SNS)への不適切な書き込みが目立っており、県警は中高生の夏休みに合わせてSNS上の監視に力を入れている。

 夏休みに入って間もない7月下旬。ツイッター上には「今日会える?」の書き込み。県警本部少年課の捜査員が18歳未満の少女による援助交際目的の書き込みとみて警察官の身分を明かさずにやりとりを始め、この日の待ち合わせを約束した。この日は他にも同様の書き込みがあり、計3人の女子中高生を補導した。捜査員は「夏休みなど長期休みになると不適切な書き込みが増える。補導して終わりではなく、捜査はこれからが本番だ」と力を込め、既に性犯罪などに巻き込まれていないか捜査を急ぐ。

 サイバー補導は、18歳未満の少年・少女の非行を未然に防ぐのが目的だ。全国の警察で行われ、県警では2014年1月に導入された。専用のスマートフォンなどを用意し、ネット上でのやりとりには非行を助長しないことなどの運用規則を定め、接触には細心の注意を払う。昨年までの4年間に29件を補導し、補導を端緒として児童買春などで20人を摘発した。

 少年課によると、最近の傾向として法規制がある出会い系サイトよりも、中高生の間で浸透しているSNSでの不適切な書き込みが多いという。援助交際の隠語「円」や、性的関係を前提としない意味の「デート援」「パパ活」などの言葉があふれ、18歳未満の少女とみられる書き込みが目立つ。捜査員は「性的関係なしを条件に会っても、無理やり性行為を迫られることがよくある」と、お金欲しさの安易な書き込みにくぎを刺す。

 県教育委員会はネット上での問題行動を早期に見つけ、いじめなどのトラブルを未然防止するため、これまで非常勤職員1人で行っていたネットパトロールを本年度から専門業者に委託した。人工知能(AI)による検索システムで不適切な投稿などを探し、さらに精査して4段階の危険レベルに分類して学校側に情報提供することを始めた。問題があると判断したのは昨年度33件だったのが、本年度は4~6月だけで578件。学校名や個人が特定されるような写真のほか、無料通信アプリの個人情報を有するQRコードが見つかった。県教委は「生命の危険や犯罪につながるような事態となる前に、不適切な情報発信を行わないように指導している」とする。

 県警はスマホを持ち始める中学生を主な対象に情報モラル教室を開き、ネットを介した犯罪例などを挙げスマホの安全利用を強く呼び掛ける。少年課の平田総次席は「子どもを食い物にする大人から自分の身を守るためにも、ネットの裏側には危険が潜んでいると認識して利用してほしい」と話している。


カテゴリ: 社会

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