へき地医療貢献、和良診療所長・廣瀬さん「やぶ医者大賞」

2018年08月26日 08:55

やぶ医者大賞を受賞した廣瀬英生さん=郡上市和良町、県北西部地域医療センター国保和良診療所

やぶ医者大賞を受賞した廣瀬英生さん=郡上市和良町、県北西部地域医療センター国保和良診療所

 「やぶ医者」は地域の名医-。兵庫県養父(やぶ)市がへき地医療に尽力する医師をたたえる「やぶ医者大賞」に、岐阜県郡上市和良町の県北西部地域医療センター国保和良診療所長・廣瀬英生さん(41)が選ばれ、25日に養父市で授賞式が行われた。廣瀬さんは「治療するだけではなく、生活や患者家族もサポートしていくのが地域医療」と住民一人一人に寄り添う志を新たにした。

 同賞は「藪(やぶ)医者」の語源が「養父にいた名医」とする説があることにちなみ、養父市が2014年に創設。"名医の郷"として地域医療発展に貢献する50歳以下の医師を年に1回表彰している。

 岐阜市出身の廣瀬さんは、01年に自治医科大を卒業。下呂市の小坂診療所、高山市の国民健康保険久々野診療所などを経て、07年に郡上市の国保和良病院(現国保和良診療所)に赴任した。

 「診療所で医師が1人という状況は、相談相手もおらず精神的負担が大きい」

 1人の医師が地域を支えるのではなく、複数診療所の相互連携により広域的に地域医療を支えるシステムづくりを訴え、15年の県北西部地域医療センター創設に携わった。

 同センターは、郡上市、白川村、高山市荘川町の診療所と基幹病院が、患者の受け入れや医師の不在時にサポートし合う仕組み。自治体を超えた連携は、へき地医療のモデルとして注目されている。廣瀬さんは「地域医療は魅力的な分野。多くの若手医師にやりがいを知ってもらいたい」と話す。

 7月の西日本豪雨では、和良川に面した同診療所の土台が、護岸とともに崩壊。約1カ月間、隣接する保健施設に仮診療所を開き、診察を続けた。「元職員が応援に駆け付けてくれ、地域の力を感じた」と振り返り「看護師など仲間を増やして、さらに地域医療を充実させていきたい」と話した。


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