バイオリン生産の恵那楽器 分業制25人のハーモニー

2018年08月29日 07:57

国内屈指のバイオリン、マンドリン生産量を誇る恵那楽器の従業員たち=恵那市中野方町、恵那楽器

国内屈指のバイオリン、マンドリン生産量を誇る恵那楽器の従業員たち=恵那市中野方町、恵那楽器

 オーケストラの主役「バイオリン」。岐阜県恵那市は、生産量が日本屈指を誇る。市内のあちらこちらで音楽が流れ楽器店が立ち並ぶわけでもない静かな中山間地で、なぜ"日本一"といわれるほどバイオリンが作られているのか。生産工場を訪ねた。

 恵那市中心市街地から県道を30分ほど走ると、加茂郡白川町境の小さな集落にその工場はある。戦後、大手バイオリンメーカーの鈴木バイオリン(名古屋市)の下請けとしてスタートした恵那楽器(恵那市中野方町)だ。「森の中の楽器工場」と名乗るだけあって、楽器の製作現場は木立の中にたたずんでいた。

 同社によると、鈴木バイオリンの役員が中野方村出身という縁で同村に工場を疎開したのが始まりという。恵那楽器は1946年に生産を始め、55年に恵那弦楽器製作所、64年に恵那楽器として法人化した。従業員数25人。分業制とラインに一部機械を組み込むことで量産体制を敷いている。

 日本楽器協会(東京都)によると、バイオリンは職人が手作りするのが一般的で、恵那楽器は国内唯一の量産工場。同社によると、バイオリンは月産150~200本、マンドリンは50~60本を誇り、どちらも国内屈指の生産規模だ。

 スタンダード製品のナンバー10は6万5千円、トップモデルのナンバー20でも12万円と比較的安価なのも特徴。量産によって奏でる音がほぼ一定なため、初心者向けに重宝されているのが「エナバイオリン」だ。

 プロ奏者も一般の愛好家も、誰もがエントリーモデルとして最初に手に取るであろうエナバイオリン。伊藤英彦社長(77)は「メード・イン・ジャパンのものづくりをこの恵那の地で守り続けていきたい」と意気込みを語る。


カテゴリ: 社会