豚コレラ、県が8月に異変把握 簡易検査せず

2018年09月12日 07:46

殺処分した豚の埋却作業が終了し、消毒のための消石灰で白くなった豚舎脇の敷地=11日午前7時46分、岐阜市内

殺処分した豚の埋却作業が終了し、消毒のための消石灰で白くなった豚舎脇の敷地=11日午前7時46分、岐阜市内

 岐阜市の養豚場で豚(とん)コレラに感染した豚が見つかった問題で、8月下旬に市が養豚場から「元気のない豚が複数いる」と連絡を受け、県の血液検査で感染症の疑いのある結果が出たにも関わらず、県は、ウイルス感染の有無を調べる簡易検査を行っていなかったことが11日、関係者への取材で分かった。県はこれまで、9月3日に死亡した豚が持ち込まれたことが異変を把握した端緒だと説明していた。県は11日、防疫措置を完了した。

 関係者によると、8月23日に連絡を受けた市の獣医師が養豚場を訪れ、発熱と食欲不振の豚を数頭確認。獣医師は気温が高いことから熱射病を疑い、必要な措置を講じた。しかし回復せず、市は県に依頼して24日に血液検査を実施し、幅広い感染症に効く抗生剤や強肝剤を注射したという。検査結果でウイルス感染が疑われる傾向がみられたが、症状の改善がみられたため県は簡易検査まで行わなかったという。

 古田肇知事は11日の記者会見で「事実関係を明らかにし、整理してから話したい」と述べた。12日に県家畜伝染病防疫本部員会議を開き、事実関係を明らかにするという。

 家畜の感染症に詳しい北海道大大学院獣医学研究院の迫田義博教授(ウイルス学)は「アジアで豚コレラの発生が相次いでいることや、農場内に体調の悪い豚が何頭もいたなら、豚コレラを疑って検査を行うべきだった。現状を見れば初動に遅れがあったと言わざるを得ない」と指摘する。

 県は11日、養豚場の飼育豚546頭の殺処分や埋却、施設の消毒のほか、養豚場からふんが搬入された同市内のJAぎふ堆肥センターの消毒作業などを終えた。農林水産省は同日、一連の防疫措置が完了したと発表した。県は今後、1週間の間隔を空けて養豚場の消毒処理を2回以上行う。また県は、養豚場から食肉用として豚9頭が運び込まれた関市内のと畜場を利用する13農場に対して立ち入り調査を行い、飼育豚の血液検査を実施した。


カテゴリ: 社会