東京五輪へ若年層躍動 福井国体総評

2018年10月11日 07:15

 9日に閉幕した第73回国民体育大会「福井しあわせ元気国体」で、岐阜は天皇杯(男女総合)14位(昨年13位)、皇后杯(女子総合)17位(昨年13位)。順位だけを見ると皇后杯の落ち込みに目がいくが、天皇杯は12位の愛媛ともわずか2・5点差の大接戦。さらに天皇杯得点は昨年より81・5点多く獲得、冬季大会を除く1位獲得種目の数も、6だった昨年から12へと倍増するなど依然高い水準を維持している。そればかりか、開催から6年が経過したぎふ清流国体の余韻で競技力を維持するのではなく、2年後の東京五輪出場を目指す選手の力強い躍動を印象付けた大会だった。

 種別ごとに昨年の国体との得点を比較すると、成年男子が91点、成年女子が47点、少年男子が29点それぞれ多く獲得(男女の区分がない馬術少年は少年男子に計上)している。特に本国体の個人種目での1位獲得者が、近年では最も多い11人となり、得点向上に寄与した。本国体総監督を務めた、狩野靖県清流の国推進部競技スポーツ課長は「各競技の現場で個々のレベルアップがしっかり図られ、勝ち切る選手が多く出てきたことは頼もしい」と目を細める。

 また11人のうち8人がまだ高校、大学生と若年であった点は、東京やその後の五輪を目指す上でも非常に明るい材料。その陰には県が従来の国体の強化指定とは別に、東京五輪を目指す個人を対象に2015年度から進める「オリンピックアスリート強化支援事業」のサポートも見逃せない。狩野課長は「東京五輪に出場するためには、日本一になることが近道。その信念で、継続的に支援してきた成果が出始めている」と力説する。

 だが一方、団体種目での優勝は、特別ルールにより、8チーム同時優勝だった弓道の少年男子近的のみ。種別では、少年女子が昨年から85・5点下げる結果になった。その原因は"お家芸"と呼ばれる団体競技の取りこぼしが多く、他競技でカバーできなかった。中でも日本一厳しいと表現されるバスケットボールで東海ブロックを突破できなかったり、8連覇中だったホッケーが、本大会初戦でいきなり開催県と激突したりした。皇后杯の順位に直結してしまったのも否めない。狩野課長は「少年女子のてこ入れには、中学以下も含めた長期的な視野での強化が求められているのでは」と問題提起する。

 東京五輪を控える中、岐阜だけでなく、当然他県も強化を進めている。加えて東海ブロック突破も21年の国体開催を控える三重がレベルアップしている影響で、さらに難しくなっている。昨年は本大会に418人が出場したが、今年は382人と減少しているのが、如実に物語っている。近年、少年の団体種目を中心に導入が進む選抜制にはより早いチームの立ち上げや各校、各年代の日常的、横断的な合同練習を増やすなど、強化改善策は残されているはずだ。

 収穫と課題が明確になった今国体。全競技にわたる県のさらなる競技力向上が望まれる。