不正疑いのKYB免震装置 県内病院や庁舎にも

2018年10月18日 07:40

  • 多治見市役所駅北庁舎に設置された不正の疑いがあるオイルダンパー=17日午後5時35分、同市音羽町 
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 油圧機器メーカーKYBによる免震・制振装置のデータ改ざん問題で、岐阜県内では、公共8と民間8の計16施設で、不正があったとされるダンパーの使用が17日、確認された。県によると、県関連は県立下呂温泉病院(下呂市)、県立多治見病院(多治見市)、セラミックパークMINO(同)の3施設。県以外の公共施設は多治見市民病院、多治見市役所駅北庁舎、恵那市立恵那病院、羽島郡岐南町役場本庁舎のほか、建設中の岐阜市役所新庁舎で使う予定だった。災害拠点施設となる役場や病院が多く、連絡を受けた各自治体の職員は対応に追われ「不安が拭えない」「情報が足りない」などと困惑や憤りの声を上げた。

 県などによると、公共8施設と民間8施設に設置された計124基のうち、不正があったとされる装置は81基に上った。

 2015年8月に開庁した羽島郡岐南町庁舎には4基が使われていた。総務課職員は「庁舎は災害時に対策本部が設置される。震度7にも耐えられるというが、不安は拭えない。早急な取り換えが必要で、KYBに補償を求めていく」と語気を強め、同町内の会社経営男性(58)も「南海トラフ地震に耐えられるのか、しっかり第三者機関が調査すべき」と憤った。

 多治見市では県施設も含めて4公共施設で使用が判明した。市公共施設管理室の職員は「今後の対応を考えたいが、KYB側から何の説明もなく、情報が足りない」と同社の対応を疑問視。恵那市都市住宅課の職員も「改ざんの数値がどの程度なのか分からない」と戸惑いを隠せない。

 岐阜市は20年度末の完成に向けて建設中の新庁舎工事でKYB子会社の装置をすでに発注。12月から工事を行う予定だったが、問題発覚を受けて他社製品に切り替える検討を始めた。市新庁舎建設課の職員は「検査データを改ざんされたら見抜けない。工期を遅らせるわけにはいかない」といら立ちをにじませた。

 県施設は多治見病院、下呂温泉病院、セラミックパークMINO(多治見市)の3施設。国交省が震度7の地震でも倒壊の恐れはないと示したため、施設の使用制限などは行わないという。今後、KYBに対して具体的な調査の実施と報告、製品の交換など必要な是正を求めていく。

 民間の8施設については具体名が公表されていない。県は「KYBから直接、説明がある」とした。


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